ダイエットのための筋トレ お腹、足、二の腕など痩せたい部位別に戦略を

ダイエットのための筋トレ お腹、足、二の腕など痩せたい部位別に戦略を

ダイエットを成功させる上で、筋トレは最も効率のいいアプローチの一つ。基礎代謝を高めて太りにくい体を作るだけでなく、お腹・足・二の腕など、気になる部位を引き締める効果も期待できます。とはいえ、やみくもに取り組んでも成果が出にくいもの。

本記事では、目的別に最適な筋トレメニューを整理し、さらに効果を最大化するための食事のタイミングや、年代、男性・女性によって変わる最適アプローチ、無理なく継続するためのメンタル設計術までを解説します。

(監修者)中島正雄

合同会社ユイロード 代表社員
2020年10月より、大阪府茨木市にてパーソナルトレーニングジムを運営。2025年6月まで、延べ100名以上の利用者に筋トレやダイエットを指導。2023年には健康経営アドバイザー資格を取得。自身のダイエット経験や、コーチングやNLPを学んだ経験を活かした「クライアントに寄り添った」指導が特徴。

なぜ「筋トレ」がダイエットに効くのか

ダイエットで重要になるポイントは、1日の総消費エネルギー量を決める基礎代謝を「どれだけ高く保てるか」という点です。基礎代謝は呼吸や体温維持など生命活動に使われるエネルギーで、筋肉量が増えるほど自然と高まります*1

そのため筋トレは、運動中の消費カロリー以上に「太りにくい体の土台作り」としてダイエット効果を発揮します。

一方で有酸素運動は、その時点での脂肪燃焼には即効性がありますが、運動をやめれば消費はストップします。対して筋トレは、筋肉の修復過程でもエネルギーが使われ、代謝が高い状態が続くのが特徴です。

つまり、短期的に体重を落としたいなら有酸素運動、長期的に痩せ体質を作るなら筋トレ。両者の特性を理解し、組み合わせることが最も効率的なダイエットにつながります。

筋トレと有酸素運動の組み合わせについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
有酸素運動と筋トレの順番はどちらが先?初心者・中高年・忙しい人のライフスタイル別メニュー - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

目的別「筋トレ×ダイエット」戦略

目的別「筋トレ×ダイエット」戦略

ダイエットで結果を出すには「どんな体になりたいか」によって筋トレのやり方を最適化することが重要です。脂肪を落としたいのか、体型ラインを整えたいのか、リバウンドしない体を作りたいのか。目的が違えば、鍛えるべき部位や運動の組み合わせも変わります。

ここでは、3つの代表的な目的別に最適な戦略を紹介します。

【脂肪燃焼重視】全身を動かす大筋群トレーニング

脂肪を効率よく燃やすには、体の中でもエネルギー消費量の大きい「大筋群」を中心に動かすことがカギです。

代表的な種目はスクワット、デッドリフトなど。これらは複数の関節・筋肉を同時に使う複合動作のため、短時間でも消費カロリーが高く、全身の筋肉をまんべんなく刺激できます。

スクワットの正しいやり方については、以下の記事をご覧ください。
スクワットの効果。1日5回でもOK? 効果的なやり方のヒント - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

さらに脂肪燃焼を加速したい場合は、有酸素運動との組み合わせが効果的。例えば「筋トレ20分+ウォーキング20分」「スクワット後にHIITを5分」のようなメニューにすると、その日の代謝が一気に高まり、脂肪が落ちやすい体作りにつながります。

【体型引き締め重視】部位別トレーニング

見た目を変えたいなら、気になる部位を集中的に鍛えるのが近道です。下腹部をへこませたい、ヒップラインを上げたい、二の腕を細くしたい、脚のラインを整えたい、くびれを作りたい……といった目的には、部位別のアイソレーション種目が役立ちます。

この場合、無理に重い負荷を扱う必要はありません。大切なのは正しいフォームで、狙った筋肉に効いているかを意識できるかどうか。軽い負荷でもフォームが整えば十分に引き締め効果は出ます。週に2〜3回、継続して積み重ねることで、数週間で変化を実感しやすくなります。

腕やお腹、下半身など部位別トレーニングについては、以下の記事も参考にしてください。

肩の筋トレのコツ 自宅&ジムでできる肩トレメニューと鍛え方 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

腕の筋トレ 自宅・ジムでできる筋肉の効果的な鍛え方 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

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【代謝アップ・リバウンド防止】基礎筋力維持トレ

リバウンドの最大の要因は「代謝の低下」です。そこで効果的なのが、毎日5分だけでも行える基礎筋力維持トレーニング。朝のスクワットやプランクなど、短時間で体を起こす習慣を作ることで、一日の基礎代謝が下がりにくくなります。

また、成果を測る際は体重だけに頼らず、ウエスト・太ももの周囲、姿勢の変化など見た目の変化を記録するのがおすすめ。これによりモチベーションが維持され、リバウンド防止にもつながります。

目的に合ったトレーニングを組み合わせることで、無理なく、そして確実にダイエット成功へ近づくことができます。

「筋トレ×食事・栄養」を時間軸で考える

筋トレでしっかり痩せるためには、トレーニングそのものだけでなく、食事のタイミングを理解することが重要です。同じ食事内容でも「いつ食べるか」で燃焼効率や代謝、筋肉の回復スピードが大きく変わります。

ここでは、トレ前・トレ後・1日のリズムという3つの軸で、最も効果の出やすい食事戦略を解説します。

トレ前:燃焼効率を上げる軽食・ドリンク

空腹のまま筋トレをすると、一時的に脂肪は燃えやすくなりますが、同時に筋肉がエネルギーとして分解されるリスクがあります。これでは代謝が落ち、痩せにくい体になってしまうため、軽くエネルギーを補給してから動くのが理想です。

おすすめは、消化が良くてエネルギーになりやすい「バナナ」、吸収が早い「プロテイン」、腹持ちが良く血糖値が安定しやすい「オートミール」など。

例としては「トレ30分〜1時間前にバナナ1本+プロテイン少量」「軽くオートミールを茶碗半分ほど」など、胃に負担をかけない量にまとめると運動のパフォーマンスが上がります。

トレ後:リカバリーと代謝促進のゴールデンタイム

筋トレ後の30分〜1時間は、筋肉の修復が最も活発になり、タンパク質の吸収効率も高まるゴールデンタイムといわれています。ただし、1日の総摂取量も意識しながら適切にタンパク質を取りましょう。

タンパク質源としては、鶏むね肉、豆腐、卵、ヨーグルト、みそ汁などが優秀です。糖質も少量あると吸収が上がるため「鶏むね肉+みそ汁+ごはん少量」のようなシンプルな和定食は、理想的なトレ後メニューです。

一日のリズムで見る「代謝サイクル」

筋トレ日・オフ日を問わず、“代謝の波”に合わせた食事がダイエットを後押しします。

    • 代謝を上げるスイッチを入れる時間。軽いストレッチやウォーキングに加え、「卵・納豆・ヨーグルト」などのタンパク質をしっかりと
    • 活動量が最も高い時間帯なので、エネルギー源として炭水化物を適量取り、午後の活動や筋トレに備える
    • リセット食を意識し、脂質控えめ・消化の良いタンパク質中心の献立にすることで、就寝中の筋肉修復をスムーズにし、翌朝の代謝アップにもつながる

時間軸で食事と筋トレを組み合わせることで、ダイエットの効率は驚くほど変わります。効率的に痩せたい人こそ、食べ方のリズムにも目を向けてみましょう。

筋トレ中の食事のコツについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
筋トレは食事が命?タイミングや目的別の食事メニューを徹底解説 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

年代・性別・ライフスタイル別の最適アプローチ

年代・性別・ライフスタイル別の最適アプローチ

年齢や生活サイクル、性別によって、体の反応やトレーニングで重点を置くべきポイントは変わります。自分に合った方法を選ぶことで無理なく続けられ、ダイエットや健康維持の効果も最大化できるでしょう。

20〜30代:ボディメイク×効率重視

20〜30代は筋肉がつきやすく代謝も高いため、短時間でも成果が出やすい時期です。ただし、在宅ワークや夜型生活による姿勢の崩れや活動量の低下が気になる年代でもあります。いきなり高負荷な筋肥大を狙うよりも、まずは姿勢改善と基礎代謝維持を優先するのが効率的。

おすすめは「朝5分のスクワット+プランク」「仕事の合間の肩回りストレッチ」「夜のヒップリフト10回×3セット」など、細切れでできるルーティン。短時間でも継続すれば、体型維持と脂肪燃焼に十分効果があります。

40〜50代:代謝低下期の“体力貯金”トレ

40代以降はホルモンバランスの変化や筋量低下が始まり、同じ運動量でも痩せにくくなる時期。ここの年代は「体力貯金」を作る意識が大切です。

負担の大き過ぎる筋トレよりも、スクワットで下半身、プランクで体幹、ストレッチで可動域を確保する組み合わせが最適。脂肪燃焼と姿勢改善の両方をかなえつつ、リバウンドしにくい体を整えます。

週3回・1回20〜30分を目安にすると無理なく続けられ、体調の波にも対応しやすくなります。

60代以上:健康維持+転倒防止の筋トレ

60代以降は「痩せるための筋トレ」よりも、動ける体を維持するための筋トレが優先です。特に下半身の筋力低下は転倒・骨折リスクにつながるため、日常生活に直結する動作を鍛えましょう。

チェアスクワット(椅子を使ったスクワット)、壁プッシュアップ(壁を使った腕立て伏せ)、軽負荷のプランクなどは安全性が高く、初めてでも取り組みやすいメニュー。無理のない範囲で週2〜3回行うことで、歩行や階段の昇り降りが楽になります。

男性×女性の差

男性は筋肥大が起こりやすく、筋量アップによる基礎代謝向上が得意です。そのため、ウェイトを使ったトレーニングを取り入れると脂肪燃焼が加速します。

一方女性は、ホルモン周期によって体調やコンディションが変わりやすい特性があります。冷えやむくみもダイエットの壁になりやすいため、負荷よりも体調に合わせた調整が重要。

生理前は軽めのストレッチ・体幹を中心に、生理後は筋トレ強度を上げるなど、リズムに合わせた取り組みが効果的です。


年代や性別ごとに最適解は異なりますが、共通するのは「続けられる無理のない設計」。自分の体に合ったアプローチを見つけることが、成功への最短ルートです。

続けるための「習慣化×メンタル設計」

ダイエット筋トレを成功させる最大のカギは「どんなメニューをやるか」以上に 「どう継続するか」にあります。続けられる仕組みを先に作ることで、モチベーションを維持しやすくなります。

「目的」ではなく「仕組み」で続ける

意志や気合いに頼った習慣は、忙しさや疲れで簡単に崩れてしまいます。そこで役に立つのが、トリガー設定を利用した「ハビットスタッキング」という考え方。これは 「既にある習慣に新しい行動をくっつけることで、自動的に行動が定着する仕組み」です。

例えば「歯磨き後にスクワット10回」「朝のコーヒー前に30秒プランク」など、日常のルーティンに紐づけることで、自然とトレーニングが生活に組み込まれます。

モチベ維持の“見える化”テク

成果が見えるほど、人は行動を続けやすくなります。体重に一喜一憂するのではなく、見た目・回数・姿勢の変化を記録するのがおすすめ。

ビフォー・アフターの写真、種目ごとの回数表、姿勢の動画などをアプリで管理すると、小さな変化にも気付きやすく、モチベーションが長く保たれます。

モチベーションを保ちにくくなる「停滞期」の乗り切り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
ダイエット停滞期はいつ来る?抜ける方法や期間中の過ごし方 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

挫折を防ぐ「リセット習慣」

どんな人でも、運動を「2〜3日サボる」ということはよくあります。サボってしまった時、大切なのは落ち込むのではなく、戻るためのリスタート計画を最初から決めておくこと。

「休んだ翌日は5分だけやる」「週末にミニリセットを入れる」など、自分なりの復帰ルールがあれば挫折につながりません。

さらに、SNS・友人・家族とのゆるい約束も効果的。応援や共有があるだけで、頑張りやすさが一気に高まります。

自分の目的に合った行動プランを

ダイエットを成功させるには、やみくもに頑張るのではなく、目的に合った筋トレ・食事・生活リズムを組み合わせることが重要です。さらに、自分に合ったやり方を選び、続けられる仕組みを作ることで成果は大きく変わります。

まずは「1週間の行動」「1カ月の習慣」「3カ月後の理想像」という3つの小目標を設定し、今日からできる一歩を積み重ねていきましょう。

編集:はてな編集部
編集協力:株式会社YOSCA


下記の記事でも、ダイエットに役立つ筋トレのヒントを紹介しています。

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ジムに「週3日」通うことを前提とした初心者でも運動を続けるコツや、1週間のおすすめメニューをまとめています。忙しい方のために「週1〜2日」通う場合のポイントも。

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朝に筋トレを効果的に行うコツについて解説しています。ライフスタイル別の実践法や、朝ごはんの選び方も。

👉筋トレを毎日やるのは逆効果?頻度やメニューをライフスタイル別に解説 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ
筋トレを毎日行う場合のポイントについて、筋肥大・ダイエット・健康維持といった目的別に最適な頻度やトレーニングメニューなどを解説しています。

さらに詳しい筋トレの情報は、下記のページからもどうぞ。
筋トレ カテゴリーの記事一覧 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

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