筋トレを毎日やるのは逆効果?頻度やメニューをライフスタイル別に解説

筋トレを毎日やるのは逆効果?頻度やメニューをライフスタイル別に解説

筋トレは毎日やってもいいのでしょうか? 「何日おきにするべきか」「週何回にするか」など、、適切な頻度に悩んだことはありませんか?

せっかく始めたトレーニングが逆効果にならないようにするには、目的や生活スタイルに合ったやり方を知ることが大切です。本記事では、筋肥大・ダイエット・健康維持といった目的別に、最適な頻度やトレーニングメニューを解説します。

自重系や有酸素運動などとの組み合わせも含めて、継続できる習慣の作り方をお届けします。

(監修者)中島正雄

合同会社ユイロード 代表社員
2020年10月より、大阪府茨木市にてパーソナルトレーニングジムを運営。2025年6月まで、延べ100名以上の利用者に筋トレやダイエットを指導。2023年には健康経営アドバイザー資格を取得。自身のダイエット経験や、コーチングやNLPを学んだ経験を活かした「クライアントに寄り添った」指導が特徴。

毎日やるメリット・デメリット

目的とやり方を工夫すれば、筋トレは毎日でも効果的に続けられます。。ただし、無理をすると逆効果になることも。まずは、メリットとデメリットを整理しておきましょう。

メリット

メリットとしては、何よりも「習慣化しやすいこと」が挙げられます。「筋トレをする日・しない日」を決めるより、毎日決まった時間に体を動かす方がリズムを作りやすく、三日坊主になりにくいでしょう。

また、軽い運動でも毎日の積み重ねで消費カロリーが増え、体脂肪のコントロールや健康維持にもつながります。ストレス発散や睡眠の質向上といった効果も大きくなることが期待できます。

デメリット

デメリットは「オーバートレーニング」と「疲労の蓄積」が起きやすいことです。筋肉はトレーニング中ではなく休養中に成長するため、回復が追いつかないと筋肉痛が長引いたり、パフォーマンスが低下したりします。また、常に同じ部位を鍛えることで筋肥大が停滞する「トレーニング効果の頭打ち」が起こることもあります。

ポイントは、目的に応じて強度や部位を分けること。安全な筋トレのために、毎日全力で取り組むことはおすすめできません。例えば筋肥大目的なら部位分割を、健康維持が目的ならストレッチや有酸素運動を交互に取り入れるなど、バランスを工夫することで、毎日続けられる筋トレ習慣を実現できます。

目的別のやり方

目的別のやり方

筋トレを毎日やってもいいのかどうかは、「筋肉を大きくしたい」「体を引き締めたい」「健康を維持したい」などの目的によって答えが変わります。

それぞれの目的に合わせて、強度や頻度、休養の取り方を工夫することが大切です。ここでは、代表的な3つの目的別に最適な筋トレ頻度と続け方を紹介します。

筋肥大を目指す人

筋肥大の仕組みは、トレーニングによる「破壊」と休養中の「修復」のサイクルによって成り立っています。高強度のトレーニングを毎日続けると、回復が追いつかず、かえって筋肉の成長を妨げてしまうことも。

そこでポイントになるのが部位分け(分割法)です。鍛える部位を日ごとに変えることで、他の部位を休ませながら毎日トレーニングを続けることができます。例えば次のような1週間モデルプランがおすすめです。

  • 月:胸(ベンチプレス、腕立て伏せなど)
  • 火:脚(スクワット、ランジ)
  • 水:背中(懸垂、デッドリフト)
  • 木:肩(ショルダープレス)
  • 金:腕(二頭筋・三頭筋の補助トレ)
  • 土:体幹(プランクなど)
  • 日:休養またはストレッチ・軽めの有酸素運動

このように部位を分ければ「毎日やっても休養を確保できる」構成となり、効率よく筋肥大を狙えます。
筋肥大について、詳しくは下記の記事でも解説しています。
筋肥大とは?効率的に筋肉を大きくする食事やトレーニングを紹介 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

ダイエット・引き締め目的の人

体を引き締めたい、脂肪を落としたい場合は、筋肥大ほど厳密に休養を取る必要はありません。目的は筋肉を増やすことよりも「消費カロリーを増やす」ことにあるため、自重トレーニングや低強度の筋トレなら毎日でもOKです。

特に、スクワット・プランク・腹筋などの全身を使うメニューを中心に、日ごとに少しずつ負荷を変えるのがおすすめです。また、有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギング)と組み合わせることで脂肪燃焼効果が高まります。

スクワットやプランクについては、下記の記事で詳しく解説しています。
スクワットの効果。1日5回でもOK? 効果的なやり方のヒント - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ
プランクの効果的なやり方とは。正しい姿勢で何秒耐えたらOK?個人のレベル別にトレーナーが解説 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

ただし、筋肉痛が強く残っている部位を無理に動かすのはNG。痛みがある日は別の部位を鍛えるか、ストレッチやヨガで体をほぐす日に切り替えましょう。
筋肉痛時の筋トレについては、下記の記事で詳しく解説しています。
筋肉痛のとき筋トレしてもいい?痛みの程度別の対処法と回復法を解説 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

健康維持・体力向上目的の人

健康維持が目的なら、最も大切なのは「強度よりも継続性」です。低〜中強度の筋トレを毎日少しずつ行うことで、筋力・持久力の維持や血流改善、姿勢の安定といった効果が期待できます。

スクワット10回×3セット、プランク30秒、腕立て伏せ5〜10回など、無理なくこなせる範囲を日課にするのが理想です。朝のストレッチ代わりや寝る前の軽い運動として取り入れると、生活の一部として習慣化しやすくなります。

ライフスタイル別の実践アプローチ

筋トレを毎日続けるには「自分の生活にどう組み込むか」がカギになります。限られた時間や環境の中でも、目的に合った形で無理なく続けることが大切です。ここでは、ライフスタイル別に実践しやすい筋トレの工夫を紹介します。

忙しい社会人

仕事に追われて時間が取れない社会人には、朝の5分ルーティンがおすすめです。

起きてすぐにスクワット10回、プランク30秒、腕立て伏せ5回といった短時間メニューを決めておけば、出勤前に代謝を高めて一日をスタートできます。

通勤中の「階段利用」も立派な筋トレです。エスカレーターを避け、階段を一段飛ばしで上るだけでも下半身の筋肉がしっかり刺激されます。帰宅後には、テレビを見ながらの体幹トレーニング(プランクやヒップリフト)を加えるとバランスが取れます。

体幹トレーニングについては、下記の記事で詳しく解説しています。
体幹トレーニング、初心者にも効果的なメニューは?痩せたい人にも有効?自宅で続けられる方法を紹介 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

スキマ時間を使うなら、デスクでできる「ながら筋トレ」も有効です。椅子に座ったまま腹筋を意識してお腹をへこませる「ドローイン」、立ったまま踵を上げる「カーフレイズ」など、数分でできる種目を積み重ねるだけで十分効果が期待できます。

子育て・家事で時間が限られる人

子育て中や家事で忙しい人には、子どもと一緒に楽しむ筋トレがおすすめです。

抱っこしたままスクワットをすれば、体重分の負荷がかかり、親子のスキンシップにもなります。プランクをしている間、子どもにタイムを計ってもらうなど、遊び感覚で続けられる工夫も◎。

また、日常の家事動作を“筋トレ化”するのもおすすめです。掃除機をかけるときに背筋を伸ばしながら行う、洗濯物を干す際に軽くつま先立ちをするなどの意識を持つだけで、日々の活動量は大きく変わります。

学生

学生の場合は、運動部に所属しているかどうかでアプローチが異なります。

部活で高強度の練習をしている人は、筋トレを補助的に行い、休養日をしっかり確保することが重要です。筋肉を休めることでパフォーマンスが上がり、ケガの防止にもつながります。

一方、運動不足を感じる学生は、勉強の合間に軽い筋トレでリフレッシュするのが効果的。スクワット10回や腕立て5回など短時間で血流を促すと、集中力や記憶力の維持にも役立ちます。

中高年・シニア

この世代では、軽負荷トレーニング+ストレッチを毎日続けることが理想です。無理のない範囲で体を動かすことで、転倒予防や関節可動域の維持につながります。

おすすめは、椅子に座って行うレッグエクステンション、立ちながらのカーフレイズ、壁を使った腕立て伏せなど。筋トレの後には、太ももやふくらはぎのストレッチを取り入れて血流を促しましょう。

筋トレを日常の一部にできれば、体力維持だけでなく、姿勢改善や生活の自立にも直結します。年齢を重ねても「動ける体」を保つために、無理なく続けることが何よりの近道です。

メンタル・習慣化の観点から考える

筋トレを続ける上ではメンタルの維持も重要です。どんなに効果的なトレーニングメニューを立てても、続かなければ成果は出ません。

モチベーションを保ち、習慣化するための工夫を取り入れることが、長期的な成功につながります。

アプリなどを使って小さな達成感を積み重ねる

まずおすすめなのが、トレーニング記録アプリの活用です。毎日のメニューや回数、体の変化を記録することで、目に見える成長を実感できます。「昨日より1回多くできた」といった小さな達成感が、継続の大きな原動力になります。

次に意識したいのが、小さな目標設定。いきなり「毎日1時間筋トレする」と決めるより「腕立て10回」「スクワット5分」など無理のない範囲から始める方が習慣化しやすいです。小さな成功を積み重ねるうちに自信が生まれ、自然とトレーニング量を増やせるようになります。

仲間と共有して励まし合う

さらに、仲間と共有する仕組みも効果的です。SNSで成果を発信したり、ジムのコミュニティで励まし合ったりすることで、継続への意欲が高まります。

「毎日できる習慣」を作る

そして何より「毎日行う」こと自体が、やめない仕組みになります。特別な日課ではなく、歯磨きのように日常に溶け込むことで、筋トレは努力ではなく習慣へと変わっていきます。

毎日でもOKな運動の種類

毎日でもOKな運動の種類

負荷が軽く毎日続けられる筋トレ

「毎日筋トレを続けたいけれど、疲れや筋肉痛が心配」という人には、軽い負荷で体を整える筋トレがおすすめです。

ポイントは、筋肉を追い込むのではなく、刺激を与え続けること。体幹を中心にした低強度メニューなら、筋肉や関節に負担をかけずに毎日行えます。

代表的なのがプランクです。肘とつま先で体を支えるシンプルな姿勢ですが、体幹の筋肉をまんべんなく刺激します。最初は20〜30秒から始め、慣れたら時間を少しずつ伸ばすのがコツです。

次におすすめなのが軽負荷のスクワット。太ももやお尻の大きな筋肉を使うため、代謝アップにもつながります。膝を深く曲げすぎず、呼吸を止めずに10〜15回を2〜3セット行いましょう。

また、ふくらはぎを鍛えるカーフレイズ(かかと上げ運動)も効果的。立ったままゆっくりとかかとを上げ下げするだけで、血流促進や冷え・むくみの改善にも役立ちます。

これらのメニューを組み合わせれば、無理なく毎日の運動習慣を維持できます。

自重系トレーニング

器具を使わずに行える自重トレーニングも、毎日続けやすい筋トレの定番です。腕立て伏せ・腹筋・背筋といった基本種目は、回数や強度を調整することで、疲労をためずに継続できます。

例えば、以下のような10分以内でできる全身サーキットトレーニングがあります。

  1. スクワット × 15回
  2. 腕立て伏せ × 10回(膝つきでもOK)
  3. クランチ(腹筋)× 15回
  4. バックエクステンション(背筋) × 10回
  5. プランク × 30秒

これを1〜2周繰り返すだけで、全身をバランスよく鍛えられます。インターバルを短めに設定すれば、軽い有酸素運動効果も得られるため、脂肪燃焼にも有効です。

ストレッチなどと組み合わせて

筋トレを毎日続ける上で欠かせないのが、ストレッチや柔軟運動です。筋肉を伸ばすことで血流を促進し、疲労回復やケガ予防につながります。

特におすすめは、股関節ストレッチと肩回し。下半身の柔軟性を高めることで姿勢が安定し、トレーニング効果が向上します。肩回しはデスクワークによる肩こり予防にも最適です。

また、ゆったりとした呼吸とともに全身を動かすヨガの「太陽礼拝」も、心身のバランスを整える優れたトレーニングメニューです。朝の目覚めや夜のリラックスタイムに取り入れると、筋トレの疲れをやわらげながら柔軟性を高められます。

このような軽めの運動を中心にすれば、体に過度な負担をかけず、毎日楽しく筋トレを継続できるでしょう。

休養日にできる、軽い運動やリカバリー方法

​​筋トレの成果を最大限に引き出すには「休むこと」もトレーニングの一部と考えることが大切です。筋肉は休養中に修復・強化されるため、休み方次第で効果が大きく変わります。

ここでは、休養日を完全な休みではなく、回復を促す日として過ごすための方法を紹介します。

アクティブレスト(積極的休養)視点での軽い運動

休養日でも、まったく動かないよりは軽く体を動かす「アクティブレスト*1」の方が、回復を早めると考えられています。ポイントは、心拍数を上げ過ぎない程度の軽運動を行うこと。

例えば、20〜30分ほどのウォーキングは最も手軽な回復法です。ほかには、軽いジョギングやサイクリングもおすすめ。特に屋外で行えば、リフレッシュ効果やストレス解消にもつながります。

「体を休めながら、疲労を取り除く」ことを意識して、気持ちよく動くのがアクティブレストのコツです。

リカバリーの工夫

筋肉の回復を助けるには、入浴とセルフケアも効果的です。

ぬるめのお湯に15分程度浸かることで血行が良くなり、筋肉のこわばりを和らげます。交代浴(温冷浴)なら、自律神経のバランスも整い、疲労回復がさらに促進されます*2

また、ストレッチポールやフォームローラーを使った筋膜リリースも有効です。太ももや背中、ふくらはぎなどをゆっくりほぐすことで、筋肉の緊張を解き、翌日の動きが軽くなります。

ポイントは「痛気持ちいい」程度の圧で行うこと。過度な刺激は逆効果になるため注意しましょう。

栄養と睡眠の調整

体を内側から回復させるには、栄養と睡眠の質も欠かせません。

特に筋肉の修復に必要なのがタンパク質。トレーニング直後だけでなく、休養日にも意識して摂ることで、筋肉合成がスムーズに進みます。肉・魚・卵・豆腐などをバランスよく取り入れましょう。

さらに、質の良い睡眠は「休養=成長」に変える最大の要素です。寝ている間に分泌される成長ホルモンが筋肉修復を促し、疲労をリセットします。

就寝前のスマホ使用を控え、入浴後のリラックス時間を確保するなど、眠りやすい環境作りを意識すると良いでしょう。

食事や睡眠のポイントについては、下記の記事で詳しく解説しています。
筋トレは食事が命?タイミングや目的別の食事メニューを徹底解説 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ
眠れない時の対処法は?タイプ別の不眠対策、どうしても眠れない夜の過ごし方も - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

休養日は「何もしない日」ではなく「次のトレーニングへの準備日」。体と心を整える工夫を取り入れることで、筋トレをより長く、効果的に続けられるようになります。

目的とライフスタイルに合わせて「毎日の筋トレ」を考えよう

「毎日の筋トレ」は、目的と生活リズムに合わせて柔軟に続けることが大切です。

筋肥大を目指すなら休養をしっかり取り、ダイエットや健康維持が目的なら軽い運動を毎日続けてもOK。

重要なのは、筋肉の回復を尊重しつつ、無理なく継続できる仕組みを作ることです。習慣化できれば、体も心も確実に変わっていきます。

編集:はてな編集部
編集協力:株式会社YOSCA


下記の記事でも、筋トレのヒントを紹介しています。

👉筋トレのジムメニュー、初心者でも続けられる週1〜3日のトレーニング内容。全身を効率よく鍛えよう - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ
ジムに「週3日」通うことを前提とした初心者でも運動を続けるコツや、1週間のおすすめメニューをまとめています。忙しい方のために「週1〜2日」通う場合のポイントも。

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朝に筋トレを効果的に行うコツについて解説しています。ライフスタイル別の実践法や、朝ごはんの選び方も。

👉有酸素運動と筋トレの順番はどちらが先?初心者・中高年・忙しい人のライフスタイル別メニュー - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ
運動初心者や30代以上の女性、中高年層などに向けて、自身に合った「有酸素運動と筋トレ」メニューの考え方と無理なく続ける始め方をまとめています。

さらに詳しい筋トレの情報は、下記のページからもどうぞ。
筋トレ カテゴリーの記事一覧 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

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*1:参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「身体と心の疲労回復」[PDF]

*2:参考:公立学校共済組合「共済フォーラム 2021年12月号掲載「Health&Care」ぬるめのお湯で気持ちもほぐれる 自律神経のバランスを整える入浴法