ジムは週何回が理想?目的や年代別の効果的な筋トレ頻度やメニュー

ジムは週何回が理想?目的や年代別の効果的な筋トレ頻度やメニュー

ジムは週何回通うのがベストなのでしょうか? やる気に満ちあふれているからと毎日通うと、ケガのリスクが高まり、疲労も蓄積します。一方で、筋トレの頻度が少なすぎると成果が出にくいため、モチベーションが低下するかもしれません。

多くのトレーナーやフィットネス専門家は「週3回程度が理想」と答えています*1。本記事では、週3回のジム通いを想定して、実際のトレーニングメニューを目的別・ライフスタイル別に紹介します。適切なセット数など、回数以外のポイントも参考にしてみてください。

(執筆者)中島正雄

合同会社ユイロード 代表社員
2020年10月より、大阪府茨木市にてパーソナルトレーニングジムを運営。2025年6月まで、延べ100名以上の利用者に筋トレやダイエットを指導。2023年には健康経営アドバイザー資格を取得。自身のダイエット経験や、コーチングやNLPを学んだ経験を活かした「クライアントに寄り添った」指導が特徴。

目的別・ライフスタイル別のトレーニングプラン例

ジムを活用する場合でも、目的やライフスタイルに合ったトレーニングが基本です。ここでは「週3回のジム通い」を想定して、トレーニングプランの例や考え方を紹介します。

ダイエット目的:「有酸素+筋トレ」を週3回

ダイエットが目的の方は、脂肪を直接燃焼させる有酸素運動と、基礎代謝を上げる筋トレを組み合わせましょう。1日は有酸素運動に充てて、残りの2日は筋トレに取り組む方法がおすすめです。

以下では、1週間のトレーニングプラン例をまとめました。

  • 月曜日(筋トレの日)
    • 代謝のエンジンを大きくする日
    • スクワットやベンチプレス、ラットプルダウンなど、大きな筋肉群をターゲットにした全身の筋力トレーニングを行う
  • 木曜日(有酸素の日)
    • 脂肪燃焼に集中する日。ランニングマシンやエアロバイクを使い、少し息が弾む程度のペースで30〜40分の有酸素運動を行う
  • 土曜日(筋トレの日)
    • 月曜日とは少し種目を変えて、全身の筋力トレーニングで筋肉に刺激を与える

日々の食事コントロールも組み合わせて、「摂取カロリー<消費カロリー」の状態を作り出すと、短期間でも結果が出やすくなります。

筋肥大目的:部位分割で週3回

筋肥大(筋肉を大きく・強くする)が目的の場合は「分割法」を用いて週3回のメニューを組むのが王道です。1回のトレーニングで鍛える部位を限定し、十分な休養を挟みながら筋肉の修復(超回復)を促します。

具体的なトレーニングプランは、以下の内容を参考にしてください。

  • 月曜日(胸+肩+腕の後ろ側の日)
    • ベンチプレス、ショルダープレス、トライセプスキックバックなど、「押す動作」に関わる筋肉群をまとめて鍛える
  • 水曜日(背中+腕の前側の日)
    • デッドリフト、ラットプルダウン、アームカールなど、「引く動作」に関わる筋肉群を鍛える
  • 金曜日(脚+おなかの日)
    • スクワット、レッグプレス、クランチなど、下半身と体幹を集中的に鍛える

負荷のかけ方については「8~12回が限界と感じる範囲」が目安です。無理のない範囲で負荷を上げていき、成長ホルモンの分泌を促しましょう。

忙しい社会人や主婦:時短トレーニングを週3回

仕事や家事で忙しく「1時間以上のトレーニングはできない」という人には、効率よく全身を鍛えるサーキットトレーニングがおすすめです。短い休憩(インターバル)を挟みながら複数の種目を連続して行うことで、筋力と心肺機能を同時にトレーニングできます。

  • メニューの例
    • スクワットや腕立て伏せ、ケトルベルスイング、プランク、マウンテンクライマーなどの種目を「45秒運動→15秒休憩」のサイクルで3~4周ほどこなす

出勤前や仕事帰りのわずかな時間でも、集中して取り組めば効果を得られます。ジムに通うことが難しい週には、自宅トレーニング(スクワットやプランクなど)を補助的に取り入れましょう。

初心者・高齢者:週2回+軽い活動で補完

トレーニングの経験が少ない初心者や、身体への負担を考慮したい高齢者は、無理に週3回を目指す必要はありません。

まずは週2回のジム通いから始め、ゆっくりと身体を慣らしましょう。回数を減らしても、全身の大きな筋肉をバランスよく刺激すれば、基礎筋力や体力は着実に向上します。

ジムに行かない日は、日常生活での軽い活動(NEAT:非運動性熱産生*2)を意識的に行ってください。散歩やウォーキング、階段の上り下りなどでも、足りない分のトレーニングを補完できます。
回数ではなく無理のない負荷設定で、まずは楽しく身体を動かすことを習慣化しましょう。

下記の記事でも、効果的なトレーニングメニューについて詳しく紹介しています。

筋トレのジムメニュー、初心者でも続けられる週1〜3日のトレーニング内容。全身を効率よく鍛えよう - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

体幹トレーニング、初心者にも効果的なメニューは?痩せたい人にも有効?自宅で続けられる方法を紹介 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

ジム通いは回数だけじゃない? 重要な3つの要素

ジム通いは回数だけじゃない? 重要な3つの要素

トレーニングの成果は、ジムに通う回数だけでは決まりません。いくらジムに通っても、必要な要素が欠けていると努力が無駄になることもあります。

ここでは、トレーニングに欠かせない3つの要素を解説します。

1.強度(負荷設定と成長の関係)

トレーニングの強度は、扱う重量や回数、セット数、休憩時間などで決まります。毎回楽にこなせるような強度にすると、身体が刺激に慣れるため成長が停滞します。

効率を上げたい方は「漸進性過負荷の原則」に従って少しずつ負荷を高めましょう。例えば、ある重量で10回3セットを楽にこなせるようになったら、次は「重量を少しだけ増やす」「1セットを12回に増やす」などの工夫が必要です。

「少しきつい」と感じる程度の負荷をかけると、身体に「もっと強くならなければ」という信号が送られます。負荷調整の考え方については、下記の記事も参考にしてください。

筋トレのジムメニュー、初心者でも続けられる週1〜3日のトレーニング内容。全身を効率よく鍛えよう - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

2.食事(筋肉の成長や脂肪燃焼に直結)

筋肉を成長させるのは、日々の食事から得られる栄養素です。ジムでのトレーニングは、筋肉を成長させるきっかけに過ぎません。

トレーニング後の2時間以内は、身体が栄養を最も効率よく吸収するタイミングといわれています。この時間に、プロテインシェイクなどで筋肉の材料となるタンパク質を補給し、筋肉の修復と合成を促しましょう。

また、トレーニング前に炭水化物を摂取すると、エネルギー不足による筋肉の分解を防げます。詳しい食事法を知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。

筋トレは食事が命?タイミングや目的別の食事メニューを徹底解説 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

3.休養と睡眠(超回復を左右する要因)

筋肉を成長させるには「超回復*3」のプロセスが必要不可欠です。適度な栄養を摂取し、十分な休養と睡眠を取ることにより、筋繊維は少しずつ太くなっていきます。

この回復プロセスを無視してトレーニングを続けると、身体はただ疲弊するだけの状態になります。免疫力の低下やケガのリスクにもつながるため、オーバートレーニングは避けなければなりません。

下記のポイントを意識して、トレーニング後は十分に身体を休ませましょう。

  • 質の高い睡眠を確保する
  • 身体を休ませる「休養日」を設ける

十分な睡眠を取ると、筋肉の修復・成長を促す成長ホルモンの分泌が促されます。睡眠時の悩みを抱えている方は、下記の記事で対策をチェックしてみてください。

眠れない時の対処法は?タイプ別の不眠対策、どうしても眠れない夜の過ごし方も - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

自宅とパーソナルジムを併用! 実際のスケジュール例

自宅とパーソナルジムを併用! 実際のスケジュール例

週3回のジム通いが難しくても、身体作りを諦める必要はありません。ジムでのトレーニングを軸にしながら、自宅でのトレーニングを戦略的に組み合わせれば、週1〜2回のジム通いでも効果を最大化できます。

ジムに行かない日は、自宅で基本的な自重トレーニングを行い、筋力の維持・向上に努めましょう。スクワットやプランク、腕立て伏せなどの基本種目をこなし、全身の主要な筋肉を効率よく刺激します。

スクワットやプランクについては、下記の記事でも解説しているので参考にしてください。

スクワットの効果。1日5回でもOK? 効果的なやり方のヒント - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

プランクの効果的なやり方とは。正しい姿勢で何秒耐えたらOK?個人のレベル別にトレーナーが解説 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

参考として、以下では1週間のスケジュール例をまとめました。

  • 月曜日:自宅での自重トレーニングやストレッチ
  • 火曜日:休養日
  • 水曜日:ジムで下半身と体幹を鍛える
  • 木曜日:休養日
  • 金曜日:自宅での自重トレーニングやストレッチ
  • 土曜日:ジムで上半身を鍛える
  • 日曜日:休養日

普段は24時間ジムやフィットネスクラブに通いながら、月に1〜2回だけパーソナルジムを利用する方法もあります。プロのトレーナーにチェックしてもらえば、ケガのリスクを抑えながら正しいフォームを習得できるでしょう。

「一般的なジムの月会費(約1万円)」と、「自宅+月2回のパーソナルジム(約2万円)」を比較すると、後者の方が費用は高めです。ただし、専門的な指導による効果を踏まえると、パーソナルジムを入れた方が費用対効果を上げられるかもしれません。

ジムトレはなぜ続かない? よくある失敗と対策

ジムに通う回数を決めても、継続できないと目標は達成できません。以下では、初心者が陥りがちな2つの失敗例をまとめました。

失敗例1.目標設定が高すぎる

トレーニングを始めたばかりの時期は、モチベーションの高さから目標を高く設定しがちです。最初の数週間は自分の意志で続けられても、仕事やプライベートが忙しくなると、どうしても継続は難しくなります。

結果として「目標を達成できない自分」に嫌気がさし、ジムから足が遠のいてしまうでしょう。

失敗例2.身体が変化しない

真面目にジム通いをしていても「一向に身体が変わらない……」と悩んでいる方もいます。

これはトレーニングの頻度ではなく、強度やメニューの内容、食事、休養などに原因があるかもしれません。そのことに気付けないと、成果を得られないまま挫折してしまう可能性が高まります。

これらの失敗を防ぐには、トレーニングの記録をつける方法が有効です。こなした種目、重量、回数を記録すると、自分の成長記録が可視化され、毎日のモチベーションを保ちやすくなります。

また「3カ月で5kg痩せる」といった長期目標に加えて「今週は2回ジムに行く」「来週は重量を2.5kg上げる」といった短期目標も設定しましょう。小さな目標をクリアすることで、成功体験を積み重ねられます。

そのほか、好きな音楽をかけたりトレーニングウェアを新調したりして、ジム通いを「楽しいイベント」に変える方法もおすすめです。これらの対策を実践して、ジム通いが続きやすい環境を整えましょう。

理想的な頻度は? 年代別に紹介

トレーニングプランは、自分の年齢や性別を踏まえることも大切です。以下では、ジムトレーニングの理想的な頻度を年代別にまとめたので、計画を立てる際の参考にしてください。

20〜30代

20~30代は、高い体力・筋力・回復力を備えている年代です。筋肉の反応もよいため、週3回のトレーニングに挑戦してみましょう。正しいフォームを習得すると、短期間でも身体の変化を実感できます。

ただし、高強度のトレーニングを終えた後には、十分な栄養と休養を取ることが必要です。しっかりとしたトレーニングの基礎を築いて、将来の健康な身体を手に入れてください。

40〜50代

40〜50代は、基礎代謝の低下やホルモンバランスの変化、回復力の低下などが気になる年代です。無理に週3回を目指すよりも、質の高いトレーニングを週2回続けた方が、効果を得られる場合もあります。

基本的には高重量を避けて、関節や腰に配慮した低衝撃のトレーニングを心がけましょう。また、ストレッチや可動域を広げる運動に取り組むことも重要です。柔軟性を保ちながら、日常生活の質を上げることに挑戦してみてください。

60代以上のシニア世代

シニア世代がトレーニングする目的は、筋力向上よりも「健康寿命」を延ばすことです。基本的には身体を動かす楽しさを感じながら、無理なく続けられるメニューを選びましょう。

実際のメニューとしては、週2回のジムトレーニングに加えて、ウォーキングなどの日常的な有酸素運動を組み合わせることが理想です。転倒防止のための下半身強化や、日常生活の動作をスムーズにするための機能改善を目指して、自分に合ったトレーニングを考えてみてください。

女性特有のポイント

女性がトレーニングを無理なく続けるには、ホルモン周期を考慮することが大切です。

特にPMS(月経前症候群)の時期や生理中は、体調が不安定になりがちです。無理にトレーニングの強度を上げずに、有酸素運動やストレッチに切り替えるなど、柔軟な対応を心がけましょう。

有酸素運動と筋トレの組み合わせ方については、以下の記事で詳しく解説しています。

有酸素運動と筋トレの順番はどちらが先?初心者・中高年・忙しい人のライフスタイル別メニュー - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

骨密度が低下しやすい閉経後の更年期にも、ジムや自宅でのトレーニングは有効です。骨に適度な刺激を与えると、骨粗しょう症の予防につながります。

週3回程度を目安にしつつ、自分に合った頻度を

効果と継続性のバランスを考えると、ジムに通う頻度は「週3回程度」が理想です。ただし、これはあくまで目安なので、実際の頻度は目的やライフスタイルをもとに考えましょう。

ジム通いの回数に加えて「強度・食事・休養」の3つを意識すれば、日々の努力は着実に成果へと結びつくはずです。本記事を参考にしながら、ご自身に合った計画を立ててみてください。

編集:はてな編集部
編集協力:株式会社YOSCA


下記の記事でも、筋トレのヒントを紹介しています。

👉筋肉痛のとき筋トレしてもいい?痛みの程度別の対処法と回復法を解説 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

こちらの記事では、筋肉痛が起こる仕組みやタイプ別の対処法、部位別のトレーニングスケジュール、超回復を意識した効果的な回復方法などについて紹介しています。

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こちらの記事では、体力の基礎知識や測定方法、筋トレなどの運動習慣を継続するコツまでを分かりやすく解説します。年代、男性または女性、ライフスタイル別の実践プランも。

さらに詳しい筋トレの情報は、下記のページからもどうぞ。

筋トレ カテゴリーの記事一覧 - lala a live(ララアライブ)│フォーネスライフ

*1:参考:lala a live「筋トレのジムメニュー、初心者でも続けられる週1〜3日のトレーニング内容。全身を効率よく鍛えよう

*2:参考:JA静岡厚生連 遠州病院「運動が苦手な人は NEAT(ニート)を意識しよう!」[PDF]

*3:筋肉が損傷から回復してトレーニング前よりも強い状態になるプロセス。参考:lala a live「筋肉痛のとき筋トレしてもいい?痛みの程度別の対処法と回復法を解説