30代後半〜40代を迎えると、まだまだ働き盛りではある一方で、体力の衰えや体調面の不安を抱える場面が多くなりがちです。忙しい中でも健康を気遣っていくためには、どんな工夫をすればいいのでしょうか?
関西テレビ『旬感LIVE とれたてっ!』のMCなどを務めているフリーアナウンサーの青木源太さんは、40代を迎える中「長く健康で働くこと」の重要性を感じ、健康維持のためのさまざまな取り組みを始めたそう。大好きなアイドル・Hey! Say! JUMPの有岡大貴さんの影響で30代半ばから筋トレを始めたほか、食事や睡眠に関する日々のルーティンにも、自分なりのこだわりがあるといいます。
今回はそんな青木さんに、健康のために取り組んでいることと、継続するコツなどについてお聞きしました。
心筋梗塞・脳卒中など将来病気になる確率を可視化し、生活習慣の改善をサポートするヘルスケアサービス「フォーネスビジュアス」では、食生活や運動習慣などの改善アドバイスを受けることができます。
目次
35歳から心がけ始めた、ストイックな食事のルール
──年齢を重ねるにつれ、心身のさまざまな変化を感じるようになる方は多いと思います。青木さんは現在41歳ですが、40代を迎えられて、ご自身の健康に関して変化を感じることはありますか?
青木源太さん(以下、青木):ありますね。僕は30代前半頃までは健康のことなんてまったく考えず、好きなように飲み食いし、寝る時間にもこだわらずに生きてきたんです。
でも、35歳を過ぎたあたりから急に、酔いがひどくなったり、体脂肪率が上がり始めたり、睡眠時間が短いとパフォーマンスの低下を実感したりすることが増えました。それまでは夜中まで飲んでラーメンを食べても、体型や体脂肪率が変わらなかったんですよ。それが突然変わり始めたので、これじゃいけないなと、35歳から慌てて健康について気を配り始めたんです。
──具体的には、どのようなことに気を配るようになったのでしょう?
青木:やっぱり、食事・運動・睡眠ですね。これが基本的な三本柱だと思うので、これらを中心に改善していきました。
まず食事に関して言うと、最も気を付けているのは、体を作る素となるタンパク質量です。タンパク質の1日の摂取量の目安は年齢や活動量によって変わります*1。30〜40代の男性の場合は活動量によって75g〜150gくらいが適量とされていますが、僕の場合は筋トレで一定の運動をしているので、1日100g取ることを目指しています。
仕事柄、夜は会食も多く、食事を制限したくないので、朝食と昼食はもうトレーニングだと思っていますね。おいしさは正直、度外視です(笑)。
──では、基本は朝と昼は決まったメニューを食べているのでしょうか?
青木:はい。朝食は自分で作って、昼食は会社に用意してもらっています。朝食のメニューはオートミールと野菜のサラダ、目玉焼き2個、納豆、サラダチキンを少し。昼食は塩むすびを2つと、サラダチキン、ヨーグルト。このメニューなら朝・昼の時点で80gのタンパク質を取れるので、夜にある程度自由に食べたとしても、100gにはなるかなという計算です。
そして脂質は、取り過ぎは禁物ですが体のためには必要な栄養素なので、なるべく魚で良質な油を取るようにしています*2。
食べる順番も、血糖値が急に上がらないよう、ベジファースト*3を心がけています。それから、夜9時以降は基本的に何も食べません。お腹に食べ物が残っているとなかなか深い眠りにつけないので、安眠のためにも続けている習慣です。
──すごくストイックですね……! 毎日のお仕事もある中で、そこまで徹底的に管理するのは大変なのではないでしょうか。
青木:仕事が詰まっているときはどうしても夜遅くなってお腹が空くので、夜に少しだけヨーグルトを食べたりして調整しています。でも僕はもともと凝り性なので、やることを決めてとことんそれを極めるのは、そんなに苦ではないんですよ。
タンパク質量の管理も、自分としては楽しみながら続けています。最近は朝食時に息子にもサラダチキンを食べさせたりしているんですが、2切れ用意して「これで10gくらいかな」と考えたりしている時がいちばん楽しいですね(笑)。
「睡眠メモ」をつけて、自分にとって心地いい睡眠環境を追求
──睡眠に関しては、どのようなことに気を配られていますか?
青木:自分にとって日中のパフォーマンスがもっとも高くなる睡眠時間や環境を導き出すことが重要だと思っています。僕は以前、武井壮さんからの薦めで「睡眠メモ」をつけていたことがあるんですよ。寝る時の部屋の温度と湿度、服装、睡眠時間などを一定期間メモし続けて、どんな環境で自分がいちばんぐっすり眠れたかをチェックするんです。
1カ月半ほどメモした結果「真夏でも気温は28度くらい、湿度は40%〜60%、ゆったりとした長袖に長ズボンの状態で7時間眠る」のが自分にとって最もいいコンディションだと分かったので、そのルーティンをできるだけ守るようにしています。
それを知るためにも寝室に温湿度計を置いておくのはおすすめですね。僕の仕事は出張も多いので、出張先にもいつも温湿度計とパジャマのセットは持って行くことにしています。ルーティンを意識するようになってからはどこでもよく眠れるようになったし、ターンオーバー(肌の新陳代謝)が乱れなくなったのか、肌もきれいになったのを実感しています。
──お仕事柄、会食も多いとのことでしたが、帰りが遅くなると睡眠時間を確保するのも大変ではないですか?
青木:そうですね。何より大事なのは、二次会に行かないことです! 僕はどんなに盛り上がっている飲み会でも、絶対に一次会で帰ると決めているんですよ。ポイントは人によって態度を変えず、どんなに偉い人との飲み会でも一次会で帰ると宣言しておくことで、“二次会に行かないキャラ”を確立することです(笑)。
僕は飲み会で得られる人間関係もとても大切にしていますが、それは一次会だけで十分だと思うんです。遅くまで飲むのは健康にも悪いので、35歳を過ぎてからはやめました。
ただ、二次会を卒業した代わりに、一次会を全力で盛り上げることは心がけています。時間を決めて全力投球する方が自分も楽しいですしね。
──三本柱の最後、運動に関しては、青木さんは筋トレを習慣にされているとお聞きしました。
青木:はい。筋トレも、始めたのは35歳くらいからです。Hey! Say! JUMPの有岡大貴くんが努力を重ねてムキムキの体になっているのを雑誌で見て「格好いいなあ」と思ったのがきっかけですね。
それまでまったく運動経験がなかったのですが、僕も一度やってみようと始めてみたらすっかりハマって。今も週に2、3日はジムに行くことを習慣にしています。
若い頃はガリガリに痩せていたのですが、筋トレを続けていたら体質が変わって、基礎代謝が上がったのを感じています。運動すると体が疲れて睡眠も深くなるので、いい生活リズムを作れているなと思いますね。
若いから働いているのではなく、働いているからこそ若くなる
──青木さんはアナウンサーとして第一線で働きながら、健康管理もしっかりとされている印象です。徹底した健康管理を続けられるモチベーションは、どこにあるのでしょうか?
青木:僕は、人生100年時代を生きるためには「なるべく長く働ける健康な体でいること」が大切だと思うんです。歳を重ねても第一線で仕事を続けている人って、いきいきしていますよね。そういう方って、若いから働いているのではなく、働いているからこそ若くなるんだと思っています。
僕はこれからの人生でなるべく長く働きたいと思っているので、そのためにもやっぱり健康は大切にしたいんですよね。
──青木さんのように、健康のための取り組みを習慣にするためのコツはありますか。
青木:思い切って「これを習慣にします」とSNSなどを通じて周りに宣言してしまうのもいいかもしれませんね。あとはやっぱり、自分にとっての楽しいポイントを見つけるのが大切だと思います。僕の場合は、筋トレはきついなと感じることも多いのですが「これだけ運動したから、今日はよく眠れそうだな」と思うと頑張れるんです。
きつい運動や食事管理はハードルが高い、という人は、まずは簡単なルーティンを一つ決めてみるのがいいと思います。睡眠ノートをつけるのは睡眠の質を上げるためにおすすめですし、必ず体重計に乗るとか、寝る時間を決めるとか、小さなことでもいいので「これなら自分は毎日できそう」ということを見つけてみてください。
──では反対に、ご自身の健康に関して、ここはまだ課題点だなと感じているポイントはありますか?
青木:健康に気を配っている方ではあるものの、食事・運動・睡眠という、誰しも大切にすべき基礎の部分以外には目を向けられていないのが課題かなと思います。
例えば遺伝性疾患や生活習慣病のリスクには個人差がありますし、1日に必要な野菜の摂取量なども仕事や体質によって異なると思うので、自分の体質を知った上で、他の人よりも気を付けるべきポイントがあればより注意していきたいなと思っているところです。
健康に自信があるからこそ、過信はせずにプロの助言も得たい
──年齢を重ねるにつれ、将来の健康についての不安を持つ場面も増えてくるかと思います。青木さんは、そういった不安に対してどのように向き合っていますか?
青木:40代以降は、生活習慣病にかかるリスクが高まると聞きますし、そこから重大な病気にもつながりやすいと思うので、普段から自分なりに健康には気を遣っています。でも、それでも急に病気になるケースはあると思うのでやっぱり不安ですね。仕事仲間の中にも突然倒れたりする人が出てくる年齢なので、まったく他人事ではないなと思っています。
──フォーネスライフが提供している「フォーネスビジュアス」という検査サービスでは、少量の血液検査によって、心筋梗塞・脳卒中、認知症、肺がんなどの将来のリスクを予測できるほか、生活習慣病などに影響する現在の「体の状態」も知ることができます。さらには結果に応じて、保健師の資格を持つコンシェルジュから生活習慣改善のためのアドバイスを受けることができます。青木さんはこういった疾病リスク予測サービスについてどう思われますか?
青木:僕は先ほどもお話ししたように、健康に働ける時間を人生の中でできるだけ長く取りたいと思っているので、そういった先進的なサービスにはとても興味があります。ぜひ受けてみたいですね。
特に、コンシェルジュの方からアドバイスを受けられるというのが魅力的だなと。僕はジムのトレーナーの方などの意見を参考に今の朝食と昼食のメニューを決めたのですが「もう1品加えるとしたら何がいいか」とか「夜9時以降にどうしてもお腹が減ってしまったときにおすすめの食材はあるか」といったことをいろいろ聞いてみたいです。
生活習慣はその人の生活リズムや仕事によっても、変えられる部分と変えられない部分の差が大きいはずなので、個人に寄り添った生活改善のヒントをもらえるのはありがたいですよね。
──最後に、同じ働き盛りの30〜40代の世代に向けて「健康」を大切にするために伝えたいことを、あらためてお聞かせいただけますか。
青木:僕は自分の健康に自信があるからこそ、「自分を過信しないで検査にはちゃんと行ってね」と妻からもよく言われています。自分にとって続けやすい健康のための習慣を決めるのもとても大切ですが、プラスアルファで専門家の意見を聞いたり、第三者のチェックを受けたりすることも、忘れないでほしいなと思います。
忙しくて年に一度の健康診断以外の検査は受けていない、受けたことがないという人も多いと思うのですが、働き盛りの世代だからこそ、時には立ち止まって、自分の健康状態を見つめてみるタイミングを設けてみてほしいなと。
僕の場合は、35歳の時に自分の健康状態についてあらためて考えるようになったというお話をしましたが、同世代の人の中には、体の変化のサインを密かに感じて「あれ?」と思うシーンが増えてきている人も多いのではないかと想像しています。ずっと着ていた服が入らなくなったとか、以前ほどお酒が飲めなくなったというのも、大切なサインですよね。
そういったことに気付いていたとしても、人間、一人ではなかなか行動に移せないと思うので、時には専門家の力も借りて、生活改善のためのヒントを手に入れてみてほしいです。
この記事では、忙しく働きながら健康を気遣っていくヒントについて、青木源太さんに伺いました。
生活習慣の改善について「専門家に相談しながら取り組みたい」と思われた方に、フォーネスライフが提供する疾病リスク予測サービス「フォーネスビジュアス」を紹介します。これは“今”と“将来”の健康状態と疾病リスクを分かりやすく可視化し、保健師資格を持つコンシェルジュから生活習慣改善のアドバイスを受けることができるサービスです。
どんなアドバイスが受けられるのかは、40歳を目前に控えたライターの地主恵亮さんがフォーネスビジュアスを体験した様子を紹介している下記の記事もあわせてお読みください。
あなたの生活習慣改善を、専門家がサポートします
取材・構成:生湯葉シホ
撮影:小野奈那子
編集:はてな編集部
*1:参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」[PDF]
*2:魚の油に含まれる「不飽和脂肪酸」は、血栓や高血圧の対策などにつながると考えられており、良質な脂肪として知られている。参考:農林水産省「特集1 だから、お魚を食べよう!(1)」
*3:食物繊維を多く含む野菜を最初に食べることで、糖質の分解・吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑えるという考え方。参考:公益社団法人日本栄養士会「健康増進のしおり 2014-3」[PDF]