
最近、体調を崩しやすく「免疫力が落ちているかも?」と不安を感じていませんか?そんな方にとって、健康状態を正確に把握する手段として注目されているのが「免疫力検査」です。
しかし、「検査を受けたいけれど、保険が適用されるのか分からない」とお悩みの方もいるでしょう。
本記事では、免疫力検査(本記事内ではすべて「免疫学的検査」を指す)の概要から、保険適用の詳細まで解説します。健康維持や病気予防の第一歩として、免疫力検査について知り、自分に合った行動を選択しましょう。
▼この記事でわかること
- 免疫力検査とは
- 保険適用される可能性がある免疫学的検査
そもそも免疫力検査とは?

免疫力検査とは、血液検査を通じて免疫系の細胞であるリンパ球の種類、数、機能を測定し、総合的に免疫力を評価する検査です。
そもそも免疫とは、私たちの体が病原菌やウイルスから身を守るために欠かせない重要な機能です。名城大学の打矢 惠一教授は、「免疫担当細胞が体内に侵入した異物を排除するシステム*1」と表現しています。
健康な体を保つためには、この免疫が十分に働いていることが必要です。この免疫の働きを健康的な意味でチェックするために活用されるのが「免疫力*2検査」です。
免疫力検査を定期的に行うことで以下のようなメリットを享受することもできます。
- 免疫状態の継続的な把握
- 早期の異常検出
- がんや感染症の予防
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【種類別】保険適用される可能性がある免疫学的検査

免疫学的検査の中には、特定の条件下で保険適用となる可能性があります。以下に主な検査とその適用条件を解説します。
▼保険適用される可能性がある免疫学的検査
- ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)
- 前立腺がんの診断補助(PSAグレーゾーンの患者)
- 急性リンパ性白血病の診断補助・治療効果測定
- 前立腺がんの診断補助(PSAグレーゾーンの患者)
感染症免疫学的検査
感染症免疫学的検査は、体内の感染症に対する免疫反応を評価するための検査です。ここでは、代表的な感染症免疫学的検査を紹介します。
ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)
ウイルス抗体価の測定は、特定のウイルスに対する免疫状態を評価するために行われます。たとえば、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス、HIVなどの抗体価測定が該当します。これらの検査は、感染の有無や免疫の獲得状況を判断する上で重要です。
保険適用となる条件は、各ウイルスや検査方法によって異なりますが、一般的に感染が疑われる場合や感染リスクが高い場合に適用されます。詳細な適用条件については、最新の診療報酬点数表や関連通知を参照することが重要です。
前立腺がんの診断補助(PSAグレーゾーンの患者)
前立腺がんの診断において、血中の前立腺特異抗原(PSA)値が4.0ng/mL以上10.0ng/mL以下の範囲、いわゆる「グレーゾーン」の患者に対して、S2,3PSA%検査が保険適用となりました*3。この検査は、PSA値が中間的な患者における前立腺がんの診断精度を向上させ、不要な生検を減少させることが期待されています。
ただし、保険適用は原則として1回を限度とし、確定診断が得られない場合には3ヶ月に1回、最大3回まで算定可能です。詳細な適用条件については、厚生労働省の資料を参照してください。
がん関連の免疫力検査
がん関連の免疫力検査は、特定のがんの診断や治療効果の評価に重要な役割を果たします。以下に、主な検査とその詳細を解説します。
急性リンパ性白血病の診断補助・治療効果測定
急性リンパ性白血病(ALL)の中でも、フィラデルフィア染色体(Ph)陽性のタイプは、BCR-ABL融合遺伝子を持つことが特徴です。このBCR-ABL mRNAの量をリアルタイムRT-PCR法で測定することで、診断の補助や治療効果のモニタリングが可能となります。
特に、minor BCR-ABL mRNA測定は、Ph陽性ALL患者の微小残存病変(MRD)の検出に有効であり、再発リスクの評価や治療方針の決定に関わります。
この検査は、2021年11月1日より保険適用となり、国内で初めて承認された体外診断用医薬品として、臨床現場での活用が期待されています。
前立腺がんの診断補助(PSAグレーゾーンの患者)
前立腺がんのスクリーニングでは、血中の前立腺特異抗原(PSA)値が重要な指標となります。しかし、PSA値が4.0ng/mL以上10.0ng/mL以下の「グレーゾーン」の患者では、診断が難しい場合があります。
このようなケースで、血清中の「[-2]proPSA(p2PSA)」を測定し、「S2,3PSA%」を算出することで、前立腺がんの診断精度を向上させることができます。
この検査は、2024年2月1日付で保険適用となり、特にPSAグレーゾーンの患者に対する診断補助として有効です。ただし、保険適用は原則として1回を限度とし、確定診断が得られない場合には3ヶ月に1回、最大3回まで算定可能です。
まとめ

免疫力検査は、健康状態を把握し、疾患の早期発見や予防に役立つ重要な手段です。特に保険適用される検査を活用することで、費用負担を抑えながら正確な診断を受けることができます。
検査を検討する際は、適用条件や内容をしっかりと理解し、医療機関での相談を行いましょう。
*1:「免疫力の基本と最新研究 | MEIJO RESEARCH | 名城大学」
*2:「免疫力」という言葉は一般的に使用されますが、科学的には明確な定義がありません。代わりに、「免疫機能」や「免疫状態」という表現が使われることもあります。本記事では、わかりやすさを優先し、「免疫力」という用語に統一して使用させて頂きます。