免疫検査とは?主な検査項目や受診の流れ、注意点を解説

本記事では、免疫検査(免疫学的検査)を検討されている方に向けて、検査の基礎知識から実際の受け方まで、気になる疑問にお答えしながら詳しく解説します。

この記事でわかる内容

  • 免疫学的検査とは?

  • 免疫学的検査の種類とその事例

  • 免疫学的検査を受診する際の流れ

  • 免疫学的検査を受ける際の注意点

免疫学的検査とは?

免疫検査の主要なものとして「免疫学的検査」があります。免疫学的検査は「血液中に感染によってできた抗体の有無や量を調べる検査*1」です。具体的には、血液中の抗体を調べることで、過去に特定の病気にかかったことがあるか、またはワクチンによって免疫が獲得できているなど調べることができます。

免疫学的検査では、血液や尿などから採取したサンプルを分析します。これらの検体を自動分析装置にかけ、タンパク、脂質、電解質、糖質、ホルモン、腫瘍マーカーなどを測定します*2

検査に使う検体によって、得られる情報が異なる点も重要です。血液は免疫系の状態を広範囲に調べるのに最適であり、感染症の有無や自己免疫疾患、アレルギーの検出などに有効です。

免疫学的検査の種類とその事例

免疫学的検査には多くの検査項目があり、それぞれが異なる目的や疾患に関連しています。ここからは、免疫学的検査の種類を解説します。

 

▼代表的な免疫学的検査の種類

  • ①リウマトイド因子(血液検査:RF)
  • ②補体
  • ③免疫グロブリン (IgG, IgA, IgM)
  • ④腫瘍マーカー
  • ⑤ 感染症関連検査

検査項目①|リウマトイド因子(血液検査)

リウマトイド因子(血液検査:RF)は、関節リウマチという病気の診断に用いられます。関節リウマチは、関節が炎症を起こして腫れたり痛んだりする病気です()。この因子は、免疫系が自己の組織を攻撃してしまうことによって生じます。

ただし、健常人でもリウマチ因子(リウマトイド因子)が陽性になる場合があり、必ずしも疾患を示すわけではありません(※1)。そのため、リウマチ因子だけでは確定的な診断を下すことはできません。追加の検査が必要です。

「リウマトイド因子」一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)

検査項目②|補体(血液検査)

補体は、免疫反応を補助するタンパク質群です。補体の値が低い場合、免疫の働きに問題がある可能性があり、自己免疫疾患や感染症が疑われます。          

自己免疫疾患においては、免疫系が自分自身の細胞を攻撃し、その結果として補体が消費されることがあります。補体のレベルが異常な場合は、さらなる検査が推奨されます。

※ 「血清補体価(CH50)」国立大学法人岡山大学

検査項目③|免疫グロブリン(血液検査)

免疫グロブリンは、感染症に対する免疫反応を示すもので、免疫力の状態を評価するための重要な指標となります。

免疫グロブリンの検査項目である、IgG、IgA、IgMそれぞれについてまとめると以下のようになります。

種類

特徴

存在場所

役割

IgG

血液中に最も多い

血液中

様々な抗原に対する抗体

IgA

粘膜や初乳に多い

粘膜、初乳

局所での感染予防

IgM

感染初期に作られる

血液中

初期感染防御、感染症診断

これらの抗体を測定することによって、免疫系がどのように反応しているか、また過去にかかった感染症や現在進行中の感染の有無を把握することができます。

検査項目④|腫瘍マーカー(血液検査・尿検査)

腫瘍マーカーは、特定の癌細胞が分泌する物質で、癌の早期発見や治療効果の判定に用いられます。腫瘍マーカー検査は、さまざまながんで行うことがあり以下のような種類があります(※1)。

がんの種類

腫瘍マーカー

甲状腺がん

CEA

肺がん

CYFRA、CEA、ProGRP、NSE

食道がん

SCC、CEA

胃がん

CEA、CA19-9

大腸がん

CEA、CA19-9

肝臓がん(肝細胞がん)

AFP、PIVKA-Ⅱ、AFP-L3分画

胆道がん

CA19-9、CEA

膵臓がん

CA19-9、SPan-1、DUPAN-2、CEA、CA50

腎盂・尿管がん

NMP22

膀胱がん

NMP22、BTA

前立腺がん

PSA

乳がん

CEA、CA15-3

子宮頸がん

SCC、CA125、CEA

卵巣がん

CA125

ただし、腫瘍マーカーは癌だけでなく、良性疾患でも上昇する場合があるため、単独での使用は限定的であり、他の検査結果と合わせて診断を行います。

「腫瘍マーカー検査とは」国立がん研究センター

検査項目⑤|感染症関連検査(血液検査・唾液検査)

感染症関連の検査は、B型肝炎ウイルス(HBs抗原・抗体)、C型肝炎ウイルス(HCV抗体)、HIV抗体など、特定の感染症の有無を確認するために行われます。これらの検査は、感染症の早期発見や進行状況を把握するために重要です。

感染症関連検査では以下のような検査項目があります。

検査項目

血液型

B型肝炎ウイルス (HBV)

C型肝炎ウイルス (HCV)

ヒト免疫不全ウイルス (HIV)

ヒトTリンパ球向性ウイルス1型 (HTLV-1)

梅毒

肝機能 (ALT)

ヒトパルボウイルスB19

 

※1 「感染症等の検査」厚生労働省また、検索項目ごとの検査方法についてそれぞれの概要をまとめると以下のようになります。

検査項目

分類

主な目的

ABO及びRh検査

血液型検査

輸血時の血液適合性を調べる

抗原検査

感染症検査

病原体の有無を調べる(例:インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス)

抗体検査

感染症検査

過去の感染歴や免疫の有無を調べる(例:麻疹ウイルス、風疹ウイルス)

NAT

感染症検査

病原体の遺伝子を検出する(例:HIV、B型肝炎ウイルス)

酵素値の測定

酵素活性測定

臓器の機能を評価する(例:肝機能検査、心筋梗塞の診断)

B型肝炎やC型肝炎、HIVは無症状で進行することが多いため、定期的な検査が推奨されます。早期に発見し、適切な治療を受けることで、重篤な状態を防ぐことができます。

免疫学的検査を受診する際の流れ

免疫学的検査を受けるには、決まった流れがあります。その流れを具体的に解説していきます。

免疫学的検査受診する際の流れ

  • ステップ①|医療機関に予約する
  • ステップ②|受診する
  • ステップ③|血液や唾液、尿などを採取する
  • ステップ④|結果待ち

ステップ①|医療機関に予約する

免疫学的検査は多くの医療機関で実施されていますが、予約が必要なケースが多いです。まずは免疫学的検査を実施している施設を探し、事前に予約を入れることが重要です。

インターネットや電話で、希望する医療機関の予約状況や検査内容、検査可能な日時を確認しましょう。

ステップ②|受診する

予約が確定したら、指定された日に医療機関を訪れます。受付で必要な書類を提出し、必要な検査を受ける準備をします。

免疫学的検査は一般的に15分〜60分程度で完了しますが、検査項目が多い場合や、複数の施設を訪れる場合は時間がかかることがあります。

ステップ③|血液や唾液、尿などを採取する

免疫学的検査の多くは血液を採取することが一般的ですが、尿や唾液などの他の体液を採取することもあります。血液採取は針を使って行い、少し痛みを感じることがあります。痛みの程度や検査方法は施設によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

また、唾液や尿の場合も、検査前に飲食や運動の制限があることがあるので、指示に従いましょう。

ステップ④|結果待ち

免疫学的検査の結果は、一般的に1週間〜2週間程度で郵送やメールで送られます。結果が届くまでの期間は施設によって異なるため、確認しておくとよいでしょう。

結果が届いた後、異常値があった場合は、医師から詳しい説明を受け、必要に応じて再検査や治療が行われます。

      

免疫学的検査を受ける際の注意点

免疫学的検査を受ける際には、いくつかの注意点があります。検査の精度や結果に影響を与えないためにも、まずは医療機関の指示をしっかり聞くことが大切です。例えば以下のような注意点が示される場合があります。

  • 注意点①|食事や運動に関する指示
  • 注意点②|中間尿を提出する
  • 注意点③|異常値が出ても慌てない

注意点①|食事や運動に関する指示

免疫学的検査を受ける前には、食事や運動に関する指示がある場合があります。特に血液検査では、空腹時に採血を行うことが多いため、検査前の食事制限が求められることがあります。

朝食や昼食を控え、指示された時間帯に訪れることが必要です。また、運動が検査結果に影響を与えることがあるため、検査前日は過度の運動を避けることをおすすめします。

注意点②|中間尿を提出する

尿検査を行う場合、正確な結果を得るために「中間尿」を提出することが望ましいです。尿を採取する際は、最初と最後の部分を避けて中間部分だけを採取することで、より正確なデータを得ることができます。

この方法は、尿の初めと終わりの部分に含まれる不純物を避け、分析の精度を高めるために重要です。

注意点③|異常値が出ても慌てない

免疫学的検査の結果に異常値が出た場合、それが必ずしも病気を意味するわけではありません。

免疫系は非常に繊細で、日々の生活環境やストレス、食事、睡眠、さらには検査を受けるタイミングによって結果が影響されることがあります。

たとえば、風邪をひいている時や過労が続いていると、数値が一時的に変動することがあります。そのため、異常値が出たからといって慌てず、まずは冷静に受け止めましょう。その上で、異常値が気になる場合は、焦らずに主治医に相談しましょう。

医師は、あなたの検査結果をもとに他の要因を考慮しながら適切なアドバイスをしてくれたり、再検査や追加の診察を受けることが必要かどうかを判断してくれる場合があります。

多くの場合、検査結果が示すのは一時的な状態の変化であることが多いため、まずは医師にしっかりと相談することが大切です。

 

まとめ

免疫学的検査は、免疫機能の状態を確認するための重要な手段であり、健康管理の一環として非常に有益です。

検査を通じて自分の免疫力を把握し、異常があれば早期に対処することが、病気の予防や早期発見に繋がります。

検査を受ける際には、事前の準備や注意点をしっかり守り、結果を冷静に受け入れ、適切な対応を取ることが大切です。免疫学的検査を積極的に活用し、健康維持に役立てていきましょう。