
新型コロナウイルスの流行以降、免疫力への関心が高まり、自宅で手軽に免疫力*1を調べられる免疫力検査キットが注目を集めています。
免疫力は体温や血圧のように明確な基準値がないため、個人差が大きく、複数の指標を総合的に判断する必要があります。
そのため、定期的な免疫力の確認は、自身と周囲の健康を守るための新たな一歩として重要視されています。
本記事では、免疫力検査キットの基本情報から、自宅での検査と医療機関での検査の特徴や使い分け、さらには最新の検査サービスまでを詳しく解説します。自分に合った方法を見つけ、健康維持に役立てていただければ幸いです。
▼この記事でわかる内容
- 免疫力検査キットとは?
- 免疫力検査キットと医療機関の検査の違い
- 免疫力検査キットで調べられる主な項目
- 免疫力検査キットの費用相場
免疫力検査キットとは?

免疫力検査キットとは、自宅で手軽に免疫の状態を調べるためのツールです。 血液や唾液などを採取して測定します。 多くのキットは、民間の医療関連企業によって開発・販売されています。
キットには、必要な採取道具と説明書が同梱されています。 以下の手順で検査を行い、結果を確認することができます。
- サンプルを採取する
- 指定の箇所に送付する
- 結果が自宅に送付される
このようなキットを利用することで、従来は医療機関でしか確認できなかった免疫の状態をより手軽に自分でチェックできるようになり、体調管理や病気予防に役立てることが可能になります。
ただし、基本的には医療機関で行う免疫学的検査の方が精度が高い点は留意しておきましょう。免疫力検査キットの結果は、あくまで大まかな目安として捉えることが重要です。
免疫力検査キットと免疫の違い

医療機関で受ける場合は、血液検査などを行い、専門医が総合的に判断するため、正確な結果が得られます。具体的な検査項目や費用は、医療機関によって異なりますので、事前に問い合わせてください。
対して検査キットは、自宅でも血液検査ができる点が特徴ですが、医療機器ではなく、非医療機器として提供されているため、疾病の診断を行うことはできません。検査キットは免疫力の一部の指標を調べるものであり、疾患の有無を判断するためのものではありません。
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項目 |
免疫学的検査 |
免疫力検査キット |
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定義 |
医療・臨床で使われる検査 |
一般に「免疫力を知りたい」時に使われる検査 |
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目的 |
疾病の診断・治療のため 疾病の診断・分類・治療効果のモニタリング |
健康チェック 免疫が低下していないか、ストレスや過労で免疫に異常がないかをチェック |
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検査方法 |
血液検査 |
血液または唾液 |
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検査場所 |
医療機関 |
自宅 |
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精度 |
医学・臨床の根拠がある |
医学・臨床の根拠が明確になっていない |
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費用 |
高額(医師が診断や治療の必要があると判断した場合、保険適用されるが、健康診断の目的は保険適用外) |
比較的安価 |
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結果が出るまで |
数日~数週間 |
数日~1週間程度 |
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メリット |
・正確な免疫の状態を把握できる ・医師に相談できる |
・手軽に検査できる ・自宅でできる ・費用が安い |
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デメリット |
・病院や検査機関に行く必要がある |
・自己判断によるリスク |
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おすすめの人 |
・疾病の診断・治療をしたい人 ・医師に相談したい人 |
・手軽に健康チェックしたい人 ・費用を抑えたい人 |
つまり、免疫力検査キットは日常的な免疫力チェックに適しており、健康管理の参考にはなりますが、より疾病の診断・治療がほしい方は医療機関での検査を受けるようにしましょう。
免疫力検査キットを入手する方法

医療機関やメーカーの公式サイト、薬局などで購入することができます。それぞれの違いを下記でご紹介します。
方法①|メーカーサイトで購入する
メーカーの公式サイトで免疫力検査キットを購入する方法があります。コロナ以降、「免疫力」への注目が集まり、メーカーが免疫力検査キットを発売するようになりました。
免疫力検査キットには、血液を使ったものと唾液を使ったものがあります。唾液を採取する免疫力検査キットは、自宅で手軽に検査できるのがメリットです。また、血液を採取する免疫力検査キットに比べて、痛みや感染のリスクが少ないのもメリットです。
方法②|薬局での購入
薬局で免疫力検査キットを購入する方法は、近くに薬局がありオンラインに慣れていない方にぴったりです。
特に、唾液を使った簡単な免疫力検査キットが多く、価格もリーズナブルなので、気軽に試すことができます。
免疫力検査キットで調べられる主な項目の事例

免疫力検査キットでは、個人の免疫機能を測定するためのさまざまな指標をチェックすることができます。
これらの指標は、健康状態や免疫力の状況を知るための貴重な情報源になります。ここでは、各社が出している免疫力検査キットでよく使われる主要項目についてご紹介します。
項目①|免疫力スコア
免疫力スコアは、個人の免疫力を数値化したもので、自分の免疫状態が良好か、または改善が必要かを理解するヒントとなります。免疫力スコアの評価基準はキットによって異なります。
免疫力スコアは免疫細胞の数や機能を基に算出され、スコアが高いほど免疫機能が強いとされます。スコアを確認することで、免疫力が低い場合は生活習慣や食事の見直しができ、高い場合はその維持に注力できます。定期的に確認することで、自分の免疫力の変動を把握し、健康管理に役立てることができます*2。
項目②|Tリンパ球年齢
特に、感染症に対する防御においてT細胞は重要な役割を果たしますが、加齢に伴いその機能は低下していくことが知られています。
このため、Tリンパ球を測定することで、実際の年齢に対して免疫力年齢を把握することができます。
免疫力年齢は実際の年齢とは異なり、免疫機能の状態を示すものです。もしTリンパ球年齢が実際の年齢よりも高い場合、それは免疫機能が低下している可能性があることを示唆します。この情報を元に、適切な生活習慣を取り入れることで免疫力を向上させるための対策を考えることができます。
項目③|Iga
免疫の中で大きな役割を担っているのが免疫グロブリン(Immunoglobulin、略称Ig)で、血液中や組織液中に存在しています。
血液中に最も多く存在する免疫グロブリンは、分子量が約16万ダルトンで、健康な大人の血液1デシリットルあたり約1,200mg含まれています。この免疫グロブリンは、様々な種類の細菌やウイルスなどの抗原に対する抗体を含んでおり、体を守るために重要な役割を果たしています。
IgA(免疫グロブリンA)は粘膜免疫の重要な指標で、体内に侵入する病原体に対して防御する役割を果たします。特に呼吸器や消化器系の粘膜部分で働き、外部からのウイルスや細菌を防ぎます。
免疫力検査キットの費用相場

免疫力検査キットの費用相場は、医療機関での検査に比べて比較的安価です。医療機関で検査を受けた場合に「保険適用外」となる検査の場合でも、3,000円ほどで購入できるものもあります。価格は、使用する検体(血液や唾液)によって異なります。
唾液を使用した簡易検査は5,000円〜10,000円と比較的安価で手軽に試せますが、血液検査はより高精度で、一般的には10,000円〜20,000円程度となります。検査の種類によって、価格に差が出る点も考慮する必要があります。
まとめ

免疫力検査キットは、自分の健康状態を把握し、生活習慣の改善に役立てるための有用なツールです。自宅で簡単にできる検査から、医療機関での詳細な検査まで、選択肢は豊富です。
結果を参考にして、日々の食生活や運動習慣を見直し、定期的に免疫力をチェックし、健康を維持するための第一歩を踏み出しましょう。
*1:「免疫力」という言葉は一般的に使用されますが、科学的には明確な定義がありません。代わりに、「免疫機能」や「免疫状態」という表現が使われることもあります。本記事では、わかりやすさを優先し、「免疫力」という用語に統一して使用させて頂きます。