健康診断の結果の見方完全ガイド|数値の解釈と異常項目の対応法

※本記事はあくまで一般的な公開情報をもとに作成しております。何か判断をされる場合は専門家の指示を仰ぐ必要性があります。

 

「健康診断の結果を受け取ったけど、見方がよくわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。自分の健康状態を正確に把握することは、病気の早期発見や予防に大きな役割を果たします。

本記事では、健康診断結果の基本的な見方から、血液検査・尿検査・体重計測結果の解釈と異常項目の対応方法まで徹底解説します。

この記事を参考にして健康診断結果を理解し、健康維持に向けて行動しましょう。

▼この記事でわかる内容

  • 健康診断結果の基本事項
  • 健康診断結果の基本的な見方
  • 健康診断結果に異常値があった場合の対応法

健康診断結果の基本的な見方

健康診断の結果通知は、報告書の形式で提供され「検査項目」「数値」「基準値」「判定」などが記載されています。

基準値内であれば、「−」や「所見なし」「正常」などの記載があり、異常値であれば「+」や「異常あり」などの記載があります。

基準値は、20~60歳の健常者の95%の人の数値を正常範囲とており、受診者の正常・異常を判別する重要な指標です*1例えば、ヘマトクリット(Ht)の場合、基準値よりも低ければ「鉄欠乏性貧血」などが疑われ、高ければ「多血症」や「脱水」などが考えられます。

しかし、基準値から外れても必ず病気があるとは限りません。なぜなら、健康診断の基準値は性別や年齢によって異なる検査項目があるためです。


男女差がある検査項目は、「赤血球」「ヘモグロビン」「ヘマトクリット」などがあり、「アルブミン」や「総蛋白」は年齢を考慮する必要があります。

健康診断の結果が基準値外だった場合でも、年齢や性別・健康状態などの影響が考えられるため、まずは医師の診断を受けるようにしましょう。

血液検査の結果の見方

血液検査は、さまざまな疾患やリスク要因を見つける重要な役割があります。ここでは、血液検査項目の基本項目の説明と異常値が出た場合の対応方法を説明します。

血液検査項目の基本

血液検査の基本的な項目を以下にまとめました。それぞれの項目を理解することで、健康状態を知ることができます。詳しく見ていきましょう。

  • 血糖値
  • HbA1c(ヘモグロビンA1c)
  • コレステロール
  • 肝機能
  • 腎機能
  • 尿酸
  • 血球
血糖値

血糖値は、体内のブドウ糖濃度を示す値です。空腹時血糖値が126mg/dl*2以上の場合、糖尿病が疑われます。

 

高血糖の状態が続くと「細小血管障害」「大血管障害」「感染症」などの合併症リスクが高まるため、注意が必要です。

 HbA1c(ヘモグロビンA1c)

HbA1cは、赤血球中のヘモグロビンが血糖と結びついている割合を示し、過去1〜2か月の平均的な血糖状態を示します。

糖尿病の診断や治療効果の評価において重要な指標となっており、6.5%*3以上の場合、糖尿病が疑われます。

コレステロール

コレステロールには、LDL(悪玉)とHDL(善玉)の2種類があります。

LDLが高いと血管壁に蓄積し動脈硬化を進行させます。HDLはLDLを回収する役割をし、低い値だとLDLがたまり、動脈硬化の危険性が高まるため注意が必要です。

肝機能

肝機能を示すのは、以下の4つの指標になります。

  • 総タンパク
  • アルブミン
  • AST(GOT)・ALT(GPT)
  • γ-GTP

これらのすべてが高い値だと肝臓の障害が疑われます。ASTのみ高い値だと心臓や筋肉の障害、γ-GPTのみが高い値の場合は胆道の障害を疑います。

腎機能

腎機能を表すクレアチニン(Cr)は、腎機能が正常であれば尿中に排出され血液中には微量しか出ません。つまり、血液検査のCrの数値が高いと腎機能が悪いことを意味します。

なお、クレアチニン値は、筋肉量によって変わります。そのため、性別・年齢で補正して計算したeGFRが精度の高い腎機能の指標として用いられます。

尿酸

尿酸は、体内でプリン体が分解される際に生じる物質で、通常は腎臓を通じて体外に排泄されます。しかし、排泄が不十分な場合や生成量が多すぎる場合、血液中に溜まりやすくなります。

血液中の尿酸値が高い状態を高尿酸血症といい、この状態が続くと痛風や尿路結石につながる可能性があります。特に関節部分に尿酸が蓄積すると、激しい痛みや炎症を引き起こすことがあります。

血球

貧血の項目として血液の濃さを示すヘモグロビン(Hb)があります。Hbが低い場合、貧血が疑われます。めまいや息切れなどの症状があれば要注意です。

貧血は鉄分不足が主な原因で、食事療法や鉄剤で改善する場合があります。他の疾患が隠れている可能性もありますので信頼できる医師への相談をしましょう。

血液検査は、検査項目と検査内容を正しく解釈し、健康状態を把握することが大切です。

異常値が出た場合の対応方法

血液検査で異常値が出た場合、原因を特定し、適切に対応することが重要です。

ここでは、「血糖値」「コレステロール」「腎機能」「肝機能」に異常値が出た場合の対応方法をまとめました。

血糖値・コレステロールが異常値の場合

高血糖となり糖尿病が進行すると合併症のリスクも高まります。また、高コレステロールでは、「動脈硬化」が進行します。

動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクがあり、命を脅かすため注意が必要です。

高血糖および高コレステロールの場合は、低脂肪の食事や日常的な運動を取り入れることをおすすめします。

肝機能・腎機能が異常値の場合

肝臓や腎臓の疾患は、自覚症状が出にくいため数値を見ることが重要です。

以下に、肝臓と腎臓の機能を示す血液検査項目をまとめました。

検査項目

検査内容

基準値

肝機能

AST・ALT

30 U/L未満*4

γ-GTP

50U/L未満*5

腎機能

e-GFR

60.0mL/ml/min/1.73m2以上*6

肝機能・腎機能ともに基準値の範囲外になる前に、対処することが大切です。また、基準値を超えている場合は、医師への相談を推奨します。

肝機能が気になる方は、禁酒や食生活の見直しをしましょう。腎機能が気になる方も食生活の見直しが効果的です。

▼参考リンク

腎臓病の対策を専門医が解説。生活習慣の見直しとリスクの把握が予防への大きな一歩

尿検査とその見方

尿検査とは、尿中の蛋白や糖などを調べ、さまざまな疾患やリスク因子を知ることができる検査です。ここでは、尿検査の主要項目の説明と異常値が出た場合の対応方法を説明します。

尿検査項目の解説

尿検査では、以下の項目を調べることで腎臓や尿路の異常を見つけます。検査項目の内容と解釈の際に注意すべきポイントを解説します。

  • 尿糖
  • 尿蛋白
  • 尿潜血
  • 尿比重
尿糖

尿糖は、尿中に排出された糖のことです。健常者では、血液中の糖は腎臓で濾過されるため尿中に糖は含まれません。しかし、血液中の糖が異常に増加した場合、腎臓で濾過しきれずに尿中に排出されます。検査で尿糖が陽性(+)であれば、糖尿病などを疑います。

しかし、尿糖だけで糖尿病を判断しないように注意しましょう。血液検査の血糖値やγ-GTPと合わせて評価することが重要です。ただし、個人が自身を診断することは推奨されないため、医師の判断を仰ぐようにしましょう。

尿蛋白

尿蛋白とは、尿中に排出された蛋白のことです。健常者では、血液中の蛋白は腎臓で濾過されるためほとんど尿中に蛋白が含まれていません。しかし、腎臓や尿路に機能障害があると尿中に蛋白が含まれてしまいます。

なお、発熱や疲労などによって一時的に陽性になることもあるため、医師の判断を仰ぎましょう。

尿潜血

尿潜血とは、尿に血液が混じった状態のことです。尿路結石や膀胱炎などの病気や、腎臓の異常があると陽性(+)になります。

見た目では判断できず、健康診断で指摘されるケースがほとんどです。尿潜血が確認できた場合でも、自ら判断しないように注意して医師の判断を仰ぐようにしましょう。

尿比重

尿比重とは、尿中のナトリウム、尿素、糖、蛋白などの溶質成分の含まれる量のことを指します。基準値を上回ると濃縮尿、糖尿病や脱水症などの水分喪失が疑われます。一方で、下回ると希釈尿、尿崩症や飲水過多などの濃縮障害が疑われます。

ただし、脱水の場合でも基準値よりも高くなるため、詳しい判断は医師に相談してください。

異常があった場合の対応法

尿検査は簡単に行える検査ですが、異常が見つかった場合は追加の検査が必要です。

尿糖が陽性(+)の場合は、血液検査を受けることが重要です。尿蛋白が陽性(+)場合には、医師の指示のもと再検査を行いましょう。

尿潜血が陽性(+)の場合は、症状の有無にかかわらず精密検査を受けることが推奨されます。少なくとも、陽性がでた場合は早急に医療機関に指示を仰ぐようにしましょう。

尿検査の異常は早期発見と適切な対応が重要です。放置せず医師と相談し判断を仰ぎましょう。

身体計測の結果の見方

健康診断では、身長・体重・血圧などの身体計測も行います。これらの数値は、肥満や生活習慣病のリスク評価のために欠かせません。以下で詳しく身体計測結果の見方をチェックしましょう。

BMIと体脂肪率の理解

BMI(体格指数)は、体重と身長から計算される指標で、肥満度を表します。適正値は18.5~24.9で、18.5未満を低体重、25.0以上を肥満としています。BMIの計算式は以下の通りです。

計算式:BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)


BMIは体重と身長により計算されるため、同じBMIでも脂肪の割合が多い方(隠れ肥満)もいれば、筋肉の割合が多い方もいます。そのため、詳しい判断をするために、体脂肪率という指標があります。

体脂肪率は、全体重に占める脂肪の割合を示しています。体脂肪率は、性差があるため男女それぞれに適正値があることを覚えておきましょう。

計算式:体脂肪率=体脂肪量(kg)÷体重(kg)×100

血圧の見方と異常時の対応

血圧とは、心臓から拍出された血液が血管の壁を押す力のことです。心臓が全身に血液を送り出している時を「最高血圧」、血液を貯めている時を「最低血圧」といいます。

高血圧だと、血管に負荷がかかり続けることによる「動脈硬化」を引き起こす危険性が高まります。

また、動脈硬化を起こした血管にさらに高い血圧がかかることで、「脳卒中」「大動脈解離」などの命にかかわる合併症につながる可能性があります。

まとめ|健康診断結果を活用して健康維持を目指す

健康診断の結果を正しく理解することは、健康を維持するための第一歩です。各検査項目の意味を把握し、自身の健康状態を客観的に評価しましょう。異常値が見つかった場合は、放置せずに早めに医師に相談するようにしましょう。

生活習慣の見直しで改善可能な場合もあれば、専門医の診察や精密検査が必要な場合もあります。自己判断せずに医師と相談しながら適切な対応を取りましょう。

また、結果を過去のものと比較することで、健康状態の変化を把握しやすくなります。定期的な健康診断を習慣化し、その結果を健康管理に積極的に活用しましょう。

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