企業における健康診断の実践ノウハウ|効率的なスケジュール管理と費用削減の秘訣

※本記事はあくまで一般的な公開情報をもとに作成しております。何か判断をされる場合は専門家の指示を仰ぐ必要性があります。

企業で健康診断を実施することは、生産性の向上や職場環境の改善を図るために重要です。しかし、従業員に健康診断が必要だとわかっていても、「健康診断をどう実施すれば良いのかわからない」「費用を抑えたい」とお悩みの方もいるでしょう。

本記事では、企業健康診断の重要性と現状から、効率的なスケジュール管理の秘訣、費用削減の具体策を徹底解説します。健康診断を円滑に実施し、従業員の健康と企業経営を両立させましょう。

▼この記事でわかること

  • 企業健康診断の重要性
  • 健診スケジュールの管理方法
  • 健診費用の削減方法
  • 健診業務の体制について

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企業健康診断の重要性と現状

企業における健康診断の実施は、労働安全衛生法*1に基づく法定義務です。雇入れ時や定期的な健康診断の実施が義務付けられています。労働安全衛生法第66条1項では、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない*2」と明記されています。企業は労働者の健康状態を定期的に把握し、必要に応じて適切な措置を講じなければいけません。

同法第120条では、健康診断の義務を怠った場合、「五十万円以下の罰金に処する*3」という罰則が定められています。企業が労働者の健康管理を怠った場合の法的な制裁です。労働者が拒否しても企業の実施義務は変わりません。未実施の場合、罰則だけでなく企業イメージ低下も招きます。

企業における健康診断は、労働安全衛生法に基づく法定義務であり、労働者の健康を守るための重要な取り組みです。健康診断を実施しない場合、法的な罰則や企業イメージの低下といったリスクが生じるため、企業は定期的な健康診断を実施し、労働者の健康管理に努めましょう。

健康診断の費用

原則として、企業には従業員に健康診断を受けさせる義務があり、その費用は企業が負担するのが一般的です。

ただし、法律で明確に定められているわけではないため、企業によっては従業員が一時的に立て替え、後日精算する形を取る場合もあります。

健康診断の費用相場は、10,000円~15,000円程度です。

加入している健康保険組合によっては、健康診断費用の一部補助を受けられるケースもありますので、一度確認してみると良いでしょう。

企業の健康診断における効率的なスケジュール管理の秘訣

健康診断を効率的に実施するには、スケジュール管理が重要です。ここでは、効率的なスケジュール管理の秘訣を、以下の通り解説します。

▼効率的なスケジュール管理の秘訣

  • 健診スケジュール作成の基本
  • 健診予約システムの活用
  • 個別対応が必要な従業員への配慮

健診スケジュール作成の基本

健診スケジュール作成では、従業員数や事業所規模に応じた計画が重要です。複数事業所を持つ企業では、事業所ごとの従業員数を把握します。規模や特性に応じて健診グループを編成したり、日程を分散したりすると、混雑緩和と待ち時間削減が可能です。健診日は大規模事業所では複数日、小規模事業所では合同日を設定しましょう。

また、自社の繁忙期を事前に確認し、従業員の業務に支障なく、余裕を持って受診できる時期を選択します。  繁忙期を避けた日程設定は、従業員の受診率を上げるだけでなく、業務への影響を最小限に抑え、企業全体の生産性向上にもつながります。 

健診日時は決定次第、速やかに従業員へ周知しましょう。メールや社内ポータル、掲示板など、確実な手段で通知することが重要です。

健診予約システムの活用

健診スケジュール管理には、デジタルツールの導入が必要です。従業員の年齢構成や職種、雇用形態によって、受診すべき健診の種類や項目は多岐にわたります。紙やExcelでスケジュール調整を行うと煩雑ですが、デジタルツールを導入すれば、スケジュール調整の効率化が可能です。

例えば、クラウド型の健診管理システムを導入すれば、従業員情報と健診データを紐づけて一元管理でき、個々の従業員に合わせた最適な健診プランを自動的に提示できます。 特定健康診査やがん検診、婦人科検診など、異なる種類の健診を組み合わせた複雑なスケジュールも、システム上で簡単に設定や管理できます。 これにより、人的ミスを削減し、抜け漏れのない確実な健診が実現できます。

オンライン予約システムは、従業員と管理者に大きなメリットをもたらします。従業員は24時間365日、PCやスマートフォンから予約状況をリアルタイムで確認でき、都合の良い日時を選んで健診予約が可能です。 管理者側は、予約状況を一覧で把握でき、空き状況に応じた柔軟なスケジュール調整や、未予約者への受診勧奨を実施することができます。 予約システムにリマインダー機能を搭載すると、従業員の予約忘れを防ぎ、受診率の向上につながるでしょう。

個別対応が必要な従業員への配慮

夜勤やシフト勤務者は、通常の勤務体系と異なり、生体リズムへの影響から睡眠障害や生活習慣病のリスクが高まります。労働安全衛生法第45条の1項*4に基づき、夜勤を週に1回以上、または月に4回以上行う従業員には、年2回の健康診断が義務付けられています。単に法的な義務を果たすだけでなく、夜勤・シフト勤務者の健康状態の確認が、従業員の健康維持や企業の生産性維持に必要です。

特定の有害業務に従事する労働者には、通常の健康診断に加えて、特殊健康診断の実施が義務付けられています。これは、特定の業務が人体に及ぼす特有の健康リスクに対応するための、より専門的かつ詳細な健康診断です。対象となる有害業務は、以下のとおりです。

  • 高気圧業務
  • 放射線業務
  • 除染等業務
  • 特定化学物質業務
  • 石綿業務
  • 鉛業務
  • 四アルキル鉛業務
  • 有機溶剤業務

夜勤・シフト勤務者や特定の有害業務に従事する労働者は、通常の労働者とは異なる健康リスクにさらされています。企業は、法定の健康診断を確実に実施し、労働者の健康状態を定期的に把握しなければいけません。夜勤従事者には年2回の健康診断、有害業務従事者には特殊健康診断を実施し、健康リスクを早期に発見しましょう。

企業の健康診断における費用削減の具体策

健康診断の費用対効果を上げるため、医療機関選定では契約医療機関と非契約医療機関の違いを理解することが重要です。 企業担当者は違いを理解し、自社にとって最適な医療機関を選択しましょう。

▼費用削減の具体策

  • 医療機関の選び方
  • 団体健診の活用

医療機関の選び方

契約医療機関とは、企業や健康保険組合、健康診断代行機関などと事前に契約を締結している医療機関です。通常、保険適用の範囲内での診療が受けられ、自己負担額が軽減されます。契約医療機関を選ぶメリットは、健診費用の請求や支払い手続きが簡略化されることです。企業のニーズを理解し、スムーズな予約や受診、結果報告が期待できます。

一方、非契約医療機関は、企業などと事前に契約を結んでいない医療機関です。非契約医療機関を利用する場合、医療機関の選択肢は広がりますが、費用は割高になる傾向があります。従業員も、自己負担額が発生する可能性が高く、契約医療機関に比べて受診のハードルが上がります。

限られた予算の中で、従業員の健康を守り、企業の生産性向上につなげるためには、費用対効果の高い医療機関選びが重要です。しかし、契約医療機関と非契約医療機関の違いだけでは、どちらの費用対効果が高いか判断するのは難しいでしょう。

費用対効果を判断するためには、

  • 健診費用
  • 健診内容の充実度
  • 医療機関の利便性
  • 健診後のフォロー体制など

を考慮する必要があります。例えば、契約医療機関の場合、健診費用の割引率や健診内容が従業員のニーズに合っているか、また従業員が通いやすい場所にあるかなどがより重要になります。一方、非契約医療機関の場合、医療機関の専門性や健診内容のカスタマイズ性、従業員の満足度、医療技術や設備のレベルなども考慮すべき点です。

各医療機関の費用と提供されるサービス内容を比較し、

  • 従業員の年齢構成や健康リスク
  • 企業の予算など

を考慮して、最適な医療機関を選択することが重要です。また、健診後のフォローアップを含めた全体の費用対効果を評価することも必要です。従業員の健康管理は、企業の生産性向上に繋がる重要な投資です。費用だけでなく、健診内容や利便性、フォロー体制なども総合的に判断することが大切です。

団体健診の活用

団体健診は、健診費用を大幅に削減しながら、効率的な従業員の健康管理を実現できます。団体健診のメリットは以下の3つです。

  • 費用削減:団体割引により、個別に受診するよりも健診費用を抑えられる
  • 効率的な実施:企業規模に応じた柔軟な仕組みがあり、多くの従業員が一度に受診できるため、スケジュール調整や運営がスムーズに進められる
  • 企業全体の健康管理向上:生活習慣病の早期発見や予防につながり、従業員の健康増進、企業全体の生産性向上、企業価値向上に貢献する

例えば、大企業では、専用の健診センターを設置し、従業員がスムーズに受診できる環境を整えられます。中小企業でも地域の健康保険組合と連携すると、コストを抑えつつ、従業員の健康を守ることができます。

団体健診は費用対効果が高く、企業にとって従業員の健康管理とコスト削減を両立できる健康診断です。

健診業務を円滑に進めるための体制構築

健診業務を円滑に進めるには、専門知識を持つ健診担当者の配置と、部署間連携によるチーム体制構築が必要です。健診担当者は事務手続きだけでなく、従業員の健康と企業の生産性向上に重要な役割を担います。 

ここでは、健診担当者の役割とチーム編成、外部専門家や委託先の活用について詳しく解説します。

▼健診業務を円滑に進めるための体制構築

  • 健診担当者の役割とチーム編成
  • 外部専門家や委託先の活用

健診担当者の役割とチーム編成

健診担当者は、以下の中核的な役割を担い、健康診断をスムーズに進めます。

  • 健診計画と実施:年間計画策定、医療機関選定、スケジュール調整、予約管理、受診案内など
  • データ管理と分析:健診結果データを正確に管理・分析し、健康状態の把握や課題特定、改善策を提案
  • 受診者サポート:従業員からの問い合わせ対応、健診内容の説明、不安解消、再検査・保健指導のサポート
  • 法規制対応:労働安全衛生法などの関連法規制を遵守し、適切な健診体制を運用

健診業務は、健診担当者だけでなく、人事や労務、健康保険組合、産業医、情報システム部門など、多岐にわたる部署との連携が必要です。

部門名

連携内容

具体例

人事部門

従業員の情報共有、健康経営戦略の連携、健康増進施策の共同実施

健康診断データをもとに、メンタルヘルス対策や生活習慣病予防プログラムを共同開発。

労務部門

労働時間管理の連携、メンタルヘルス対策、職場環境改善の協力

労働時間管理データと健康情報を連携し、過重労働リスクを早期発見。休職者・復職者の職場復帰を支援。

健康保険組合

制度の活用、データ共有、施策の共同実施

健康診断データやレセプトデータをもとに、効果的な施策を共同企画・実施。

産業医・保健師

健診結果の評価、保健指導、専門的なアドバイス

健診結果に応じた保健指導や、メンタルヘルス相談を共同実施。職場環境改善への専門的アドバイス。

情報システム部門

システムの運用、セキュリティ対策、ITツール活用支援

ウェアラブルデバイスや健康アプリと連携した健康管理システムの導入。オンライン健康相談や研修会を実施。

上記のような部門連携を実施することで、迅速な情報共有や重複業務削減、データに基づいた健康管理、従業員への手厚いサポートが可能となり、業務効率と健診の質が向上します。健診担当者は専門性を発揮し、他部署と連携すると、組織全体で従業員の健康を支える体制を構築できます。チームワークで、従業員の健康と企業成長に貢献しましょう。

外部専門家や委託先の活用

リソースを有効活用し、健診業務を効率化するためには、健診コーディネーターや委託先の活用が有効です。 健診コーディネーターは、健康診断に関する高度な専門知識と豊富な経験を持つ専門職です。 健診コーディネーターを活用すると、専門知識の導入、内部リソースの有効活用、受診者サービスの向上など、企業にとってメリットをもたらします。

健診業務を委託する会社は、健診業務全般を委託できる代行サービス会社、予約業務を効率化する予約システム提供会社、専門的なデータ分析を提供するデータ分析会社などです。目的に応じた委託先を選定すると、更なる効率化と専門性向上が期待できます。

健診コーディネーターの活用と委託先選定には、費用対効果と信頼性を重視し、自社のニーズに合わせることが大切です。

まとめ|効率的な健診運営がもたらす未来

企業における健康診断は労働安全衛生法に基づく法定義務であり、従業員と企業の未来への重要な投資です。 効率的な健診運営は、従業員の健康増進に加え、企業の生産性や企業価値向上にも貢献します。

 

また、多くの企業では、従業員の健康診断結果を十分に活用できていません。従来の健診データだけでは、将来の健康リスクを予測し、効果的な対策を講じることが難しいのが現状です。

NEC 健診結果予測シミュレーションは、従業員の健診データから将来の健康状態や疾病リスクを予測し、一人ひとりに最適な生活習慣改善策を提案します。

導入メリットには以下の点があります。

  • 従業員の健康増進による生産性向上
  • 医療費削減
  • 企業イメージ向上
  • 従業員満足度向上

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