坂道で息切れしたり、安静にしていても動悸や息苦しさを感じたり、重い荷物を持てなくなったり……このような症状が気になったことはありませんか?もしかすると、それらは心臓に何か問題があるサインかもしれません。
本記事では、心臓の機能が低下した状態である「心不全」の疑いがありそうかどうか、まず自分で確認できるセルフチェック項目を紹介します。さらに、心不全の要因となる心臓病の種類と症状についても解説します。
セルフチェックを一つの目安として、少しでも不安がある場合は医療機関で受診しましょう。
こんな人におすすめ
- 息切れしやすいなどの違和感を感じており、心不全のセルフチェックを行いたい人
- 気がかりな症状があるものの、病院で受診をすべきか迷っている人
- 心不全の要因を知りたい人
心不全の症状セルフチェック項目
心不全とは、さまざまな原因により心臓の能力が低下して起こる不健全な状態のことです。坂道で息切れしたり、夜寝ている時に息苦しさで目が覚めたり、といった症状が出ます。
以下のような症状がある場合、心不全がすでに危険な状態である可能性があります*1。1つでも当てはまったら、すぐに受診しましょう。
【複数当てはまる場合等にすぐに受診が必要】
- 乾いた咳ではなく、ややピンク色の痰を伴う咳が出る
- 起きている時は咳が出ず、横になると咳が出る
- 何もしていないのに息苦しい
- 横になると息苦しさを感じる・起き上がったり座ったりすると息苦しさがラクになる
- 血圧が平常時より低く、フラフラする
以下のような症状がある場合は、心不全が悪化している可能性があります。生活習慣を見直しつつ、早めの受診がおすすめです。
【複数当てはまる場合等に早めの受診を推奨】
- ここ数日で急激に体重が増えた(1週間で2kg以上)
- 足がむくんでいる
- 少しの動きで息切れする、今まで大丈夫だった距離でも歩くと息切れする
- 疲れやすい、だるさがある
- 食欲が低下した
- 立ったり座ったりした状態で首の血管が浮き出る「頚静脈怒張(けいじょうみゃくどちょう)」が見られる
心臓病の種類と症状
心不全の要因となる主な心臓病の種類には「虚血性心疾患」「高血圧性心疾患」「不整脈」などがあります。それぞれの症状について解説します。
虚血性心疾患
虚血性心疾患は、心臓の筋肉(心筋)に血液が不足した状態(虚血)によって引き起こされる疾患で、代表的なものに心筋梗塞や狭心症があります。
心筋に血液が不足すると心筋の一部が壊死してしまい、心臓の他の部分に負荷がかかって、さらに心臓の機能が低下することにつながります。心臓が全身へ血液を送り出すための収縮機能が低下した心不全を「HFrEF」(heart failure with reduced ejection fraction)と呼びます*2。
高血圧性心疾患
高血圧性心疾患とは、血圧が高いことが原因で、心臓の動きに異常が生じている状態のことです。
高血圧状態では血管に圧力がかかり、血管の壁が厚く硬くなります。すると心臓はより強い力をかけて血液を送り出さなければならなくなり、長期にわたって心臓に負担がかかります。心臓の収縮機能が保たれているにもかかわらず、全身から戻ってくる血液を取り込む拡張機能が弱くなっている心不全を「HFpEF(heart failure with preserved ejection fraction)と呼びます*3。
不整脈
不整脈のうち、脈が早くなるタイプの「頻脈性不整脈」の場合は、心臓に負荷がかかることで心不全の発症につながります。
一方、脈が遅くなるタイプの「徐脈性不整脈」は、心拍数が少なくなって心臓からの血液量が少なくなることで、心不全の発症につながります*4。
心臓病の症状が疑われるなら医療機関で受診しよう
さまざまな原因により心臓の能力が低下することで、心不全を発症する可能性があります。日常生活の中で気になる症状があればまずセルフチェックを。項目に心当たりがある場合は、なるべく早めに受診しましょう。
編集:はてな編集部
編集協力:株式会社イングクラウド
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*2:参考:知っておきたい心不全のいろは「HFrEF/HFpEFについて」
*3:参考:知っておきたい心不全のいろは「HFrEF/HFpEFについて」