未来の健康が見える「フォーネスビジュアス検査」って? 自身の未来を変えた社長に聞いてみた

江川社長と地主さん

疾病リスク予測というものがある。「数年後に自分が病気になるかもしれない可能性」を予測するもので、最近さまざまなサービスが登場して注目を集めているらしい。

私も38歳になり、この先の健康が気がかりだ。将来の病気のリスクが分かるなら調べてみたい。しかし「疾病リスク予測を受けることで具体的に何が分かるのか」「病気のリスクがあると分かった場合に何ができるのか」など、いまいち分からないことばかりだ。

今回は、血中のタンパク質を分析することで疾病リスクを予測するサービス「フォーネスビジュアス」を提供している、フォーネスライフの社長に話を聞いた。

40歳を目前に「未来の自分は健康なのか」が気になっている

自分の未来が明るいかどうか、誰もが気になるところだろう。それは経済的な話もそうだし、健康の話もそうだ。

地主さん
どうもこの記事を書いている地主です!
地主恵亮:1985年福岡生まれ。基本的には運だけで生きているが取材日はだいたい雨になる。著書に『妄想彼女』(鉄人社)、『わたしたちの地域デザイン』(東京農業大学出版会)などがある。

私も40歳を目前にして、未来がより気になるようになった。フリーランスのため、経済的な未来も気になるが、何より気になるのが健康面の未来。健康でさえあれば働けるし、経済的なことはある程度どうにかなるはず。しかし、病気になるのは本当に怖いのだ。

地主さん
この前の健康診断でC判定が出たし、やっぱり健康ではない気がする……

しかし心配はしているものの、特に規則正しい生活は送れていないし、運動もしていない。歩数計を見たら、昨日は200歩くらいしか歩いていなかった。間違いなく、不健康寄りの生活だ。とはいえ現時点で何かはっきりと病気の兆しがあるわけではないから、のらりくらりと過ごしてしまっている気がする。

そんな自分の不健康ぶりについてネットに書いていたところ、フォーネスライフが運営するオウンドメディア「lala a live」の編集部から声がかかった。どうやら、未来の自分が健康かどうかを見る方法があるらしい。それが疾病リスク予測サービス「フォーネスビジュアス」だ。

フォーネスビジュアス(NECグループ発)- 個人のお客様 | フォーネスライフ株式会社

「フォーネスビジュアス」では、20年・5年以内(※5年以内は65歳以上が対象)の認知症発症リスク、4年以内の心筋梗塞・脳卒中発症リスク、5年以内の肺がん発症リスク、4年以内の慢性腎不全などを、血液を調べるだけで可視化できる。

さらには検査結果に応じた健康のアドバイスを、コンシェルジュ(保健師)から受けることもできるという。

フォーネスビジュアスでできること

もしこの先の健康についての未来が可視化されれば、私も少しは生活を改善する気になるのではないだろうか。「フォーネスビジュアス」について詳しく知りたくなった。

ということで、フォーネスビジュアスを運営するフォーネスライフのオフィスに来ました!

フォーネスビジュアスで自らも健康になれたという、社長の江川さんに聞いてみる

今回、「フォーネスビジュアス」を運営する「フォーネスライフ」の社長である江川尚人さんにお話を聞く機会を得た。

江川さん自身、フォーネスビジュアスを受けたことによって、かつての不健康な生活がすっかり改善されたそうだ。いろいろ聞こうではないか。

フォーネスライフ株式会社代表取締役CEO・江川尚人さん。
江川尚人:フォーネスライフ株式会社代表取締役CEO。2011年ごろからNECソリューションイノベータとSomaLogicとの共同事業契約のコーディネーターやネゴシエーターとして関わり、2020年4月にフォーネスライフ株式会社を設立し、代表取締役CEOに就任。

健康診断や遺伝子検査とフォーネスビジュアスはどう違う?

フォーネスビジュアスは提携の医療機関で血液を採取し、血液から疾病リスクを予測する仕組みだ。健康診断などとは異なり、前日からの食事制限などはない(極論、前日にお酒を飲んでいても問題ない)。

一般的な健康診断にも血液検査はあるが、どんな違いがあるのだろう?

江川さん

健康診断の血液検査は、タンパク質もそれ以外も含め「一つ一つの物質を見る」イメージです。タンパク質にもさまざまな種類がありますが、一種類のタンパク質について、それ単体での数値を見ます。
一方でフォーネスビジュアスは、約7,000種類のタンパク質(2023年8月現在)を同時に見て、その組み合わせで「今の体の状態はどうなのか、将来発症する疾患のリスクはどのくらいあるのか」などを診断するんです。

健康診断の血液検査との違い

江川さん

今分析できるのは約7,000種類のタンパク質ですが、将来的にはおおむね2万数千ぐらいのタンパク質が分析できるようになる予定です。現在も高い精度で検査できていますが、数が増えるとさらに精度が高くなり、分かる疾病リスクも増えます。

地主さん

未来がより具体的に可視化されますね。

江川さんと地主さん

疾病リスク予測に近いものに「遺伝子検査」というものがある。これはもともと持って生まれた遺伝子の情報から、病気になりやすいか・なりにくいかを見ていく検査だ。ただ、病気になりやすい遺伝子を持っていてもならない人もいるし、逆にそういう遺伝子を持っていなくてもなる人はいる。

一方フォーネスビジュアスは、その人の健康状態によって日々体内で変化しているタンパク質を分析することで、その人が今どのような状態か、また10年後、20年後にどうなりそうかを知ることができる。その人の現在の状態から未来を知れるわけだ。

江川さん

自分がどういう病気になりやすいのか、傾向を捉えるという意味で遺伝子検査はいいと思います。一方フォーネスビジュアスは、自身の行動を反映して「リスクが上がるのか、下がるのか、横ばいなのか」を見ていくという点で、有益かなと思っています。

地主さん

自身の行動を反映してというのが、結果への信頼性がある反面、怖くもありますね。自分の生活を思い返すと、マズいな……。

分析結果のレポートのサンプル。このように、数字で将来の病気のリスクが分かる!

フォーネスビジュアスでは、20年・5年以内の認知症発症リスク、4年以内の心筋梗塞・脳卒中発症リスク、5年以内の肺がん発症リスク、4年以内の慢性腎不全リスクを調べられるほか、耐糖能や肝臓脂肪、アルコールの影響、たばこの影響、心肺持久力、内臓脂肪、安静時代謝量など、現在の体の状況も分かる。

現在の体の状態もあわせてレポートしてくれる

これらのリスクが今後上がるのか、下がるのか、横ばいになるのかは、自身のこれからの行動で変わるのだ。

江川さん

地主さん

江川さんも40代前半の時にフォーネスビジュアスを受けたそうですね。疾病リスクはどんな数字でしたか?

江川さん

心筋梗塞・脳卒中のリスクが8%でした。

地主さん

え、たった8%?

江川さん

いえ、数字だけだと一見低く見えるかもしれませんが、例えば10%だと、およそ10人に1人が心筋梗塞や脳卒中を発症している状況です。それに近い数字なので、マズいですよね。

地主さん

確かにそうだ、8%、こわ!

「未来を変えるためのアドバイス」も受けられる

しかし疾病リスク予測をして「リスクが高い」と分かった場合、どうすればいいのか? 検査でよくない未来が予測できたとしても、それを変えられなければ意味がない。

江川さん

フォーネスビジュアスは、将来の疾病リスクを予測するだけではなく、リスクや体の状態に応じて、コンシェルジュ(保健師)がその方に見合った生活習慣の改善をご提案するヘルスケアサービスです。
コンシェルジュとの2回の面談でもフォローすることで、生活習慣の改善とその定着を図っていただきます。

地主さん

単に数字だけを提示されるわけじゃないのがいい!

江川さんはフォーネスビジュアスを受けて衝撃的な数字を叩き出したが、コンシェルジュとの面談でアドバイスを受け、今は健康になっている。具体的にどのくらい健康かというと、2年弱で20kgも痩せ、8%だった心筋梗塞・脳卒中のリスクも低下したという。

江川さん

フォーネスビジュアスを受ける前の江川さんは、毎日欠かさず500mlのビール缶を5、6本は飲み、食べるものにもあまり気を使わなかった。さらに仕事をしまくりで睡眠時間は短く、短い距離の移動でもタクシーを使っていたそうだ。

江川さん

当時、会社で健康診断も受けていましたが、5段階中下から2番目の「D」判定とかでした。

地主さん

未来だけではなく、その時点ですでにマズいですね……。

江川さん

でも、実はフォーネスビジュアスの結果を見ても、すぐに生活をあらためようとは思わなかったんです。

地主さん

8%なのに!

江川さん

その時は数字だけを見てもあまり危機感がなかったんですよね。このくらいならまだ、と。でもコンシェルジュと話して初めて、これはマズいんだと思いました。

地主さん

確かに、私も江川さんの8%を聞いた時「たった8%か」と思いましたもん。

江川さん

実はフォーネスビジュアスの最初期にはコンシェルジュというサービスはなく、生活習慣を変える必要があっても「どうやって変えたらいいか分からない」という意見が多かったんです。それがきっかけで、コンシェルジュを導入しました。
私の場合はコンシェルジュに「お酒の飲み方を変えましょう」とアドバイスをもらいましたよ。

地主さん

「飲んじゃダメ!」って言われないんですね、それはうれしい、飲みたいから!

江川さん

「とりあえず、飲んでいるお酒の中の1本を低アルコールにしてみましょう」と言われました。

江川さんのビフォーアフター

アドバイスを受けた江川さんはまず、いつも飲んでいたビールを、アルコール度数が3%程度と低いものに変えたという。続けるうちに以前ほど飲まなくても満足できるようになり、今ではノンアルコールのビールを飲んだりもする。コンシェルジュのアドバイスが、段階的に無理なく生活習慣を正してくれるのだ。

お酒の量を減らした江川さんは、次に「運動を始めましょう」とコンシェルジュに言われた。

江川さん

バスやタクシーを使うのをやめました。今では駅まで20分ちょっとの距離をスマートウォッチをつけながら歩き、1日にどれくらい歩けるのか記録しています。さらにジョギングも始めて、帰宅後は入浴剤を入れてお風呂に入るのが楽しみなんです。

地主さん

優雅!

江川さん

私の場合、コンシェルジュからのアドバイスで「無理なことを言われなかった」のが継続できた大きな要因だと思います。「とりあえず、飲んでいるお酒の中の1本を低アルコールにしてみましょう」といった取り組みやすい提案だったので、そんなに苦じゃなかったですね。

地主さん

無理を言われないのはいいですね! これまでダイエットをして全然成功しなかった私も、それなら続けられるかもしれない。

江川さん

そうですね、私は20kg痩せて、今は健康診断もA判定です!

地主さん

うらやましいな、私はC判定です!

C判定の地主
江川さん

以前は8%だった心筋梗塞・脳卒中のリスクも、ここ数回の検査結果では2.5〜3%程度でした。

地主さん

すごく下がってますね!

「認知症のリスク」が予測でき、親子で相談もできる

フォーネスビジュアスについて詳しく教えてもらって、健やかなる未来を手に入れるために必要なことが詰まっていると感じた

一方で、私は自分だけではなく、70歳を目前にした父の未来も気になっている。

地主さんの父
うちの父です!

父は福岡で一人暮らしをしている。今は元気だが、今後の健康はもちろん、認知症も気になるところだ。フォーネスビジュアスでは先に書いたように、認知症のリスクも予測できる。65歳以上だと5年以内の認知症発症リスクが分かるそうだ。

地主さん

フォーネスビジュアスの検査で認知症のリスクがあると分かった場合、何をしてもらえるんですか?

江川さん

コンシェルジュが循環器疾患や肝臓の状態などの結果を見て、認知症のリスクを高める生活習慣病因子が高い水準の場合にはそれに見合った生活習慣改善のアドバイスをしたり、食事を見直したりといったことをしています。
一方で高齢になると、特に一人で暮らしている場合などは、他の人と会話する機会が減りやすいですよね。そういった社会的なつながりが希薄になることも、認知症の因子として大きいといわれています。*1
そこで、家にこもってしまいがちな方には、「人と話す機会を作りましょう」という提案をする場合もあります。

地主さん

人と話す機会、増やしたいです! 実は私、今日誕生日でして、このインタビューがなかったら一人でした。誰かと話したかったんです!

江川さん

おめでとうございます!

地主さん

ありがとうございます!

江川さん

人と話す機会を作るためのイベントも一部で開催しています。例えば人に話しかけられやすくなるセミナーや、一緒に歩くウォーキングセミナーなど。他にも、自治体さんと協賛したイベントを紹介したりしています。*2

地主さん

めちゃくちゃいいじゃないですか。

江川さん

もちろん、確実に認知症を防ぐ方法は現時点で見つかっていませんが、生活習慣をしっかり改善し、ウェルビーイングな状態・幸せな状態になっていけば、病気は遠ざけていけるという研究結果がいろいろなところで明らかになっています*3それに対してできることは全てやろうというのが、われわれの会社のビジョンです。

地主さん

父に受けてもらおうかな!

地主さんと江川さん

子供が親にフォーネスビジュアスを受けてもらうケースも多いそうだ。またコンシェルジュとの面談は、受けた本人が承諾すれば、子供なども同席できる。複数の家族が同席することも可能だ。親と子だけではなく、夫婦で一緒に面談を受けるケースもある。

ちなみに面談はオンラインで実施されるので、遠方で暮らしていても一緒に話を聞けるというわけだ。これはマジでうれしい。親には健康でいてほしいし、親の健康状態についても知っておきたいから。

親子で相談をするイメージ

また、二人一緒に通常価格よりも安く受けられる「ペア割」というプランもある。ペアの組み合わせは親子でも夫婦でも友人でも、誰でもいい。

父と私でペア割を使って受けたいと思った。福岡にも提携の病院がある。そこで採血するだけなのが本当に楽でいい。

江川さん

未来は変えられる、という希望が見えた

実は、全てカットしたけれど、インタビュー中に江川さんが自分の好きなビールの銘柄について熱く語ってくれたりもした。それだけビール好きな人が、今では適量で満足し、20kgも痩せ、健康の権化のような生活を送っている。フォーネスビジュアスの効果に説得力があった。

江川さん

今後は将来のリスクの予測だけではなく、「今病気になっているかどうか」を同時に血液検査だけで把握できるようにしたいと考えています。
例えば、最終的にリスクが高かった場合に病変(病気の過程で生体に表れる変化)を見つけるための精密検査は必要ですが、毎回大腸の検査や胃カメラを受けるのは大変です。だから、血液検査のみで今も将来も把握できるようになれば、かなり楽なはず。そういった世の中を作っていきたいなと思っています。

地主さん

そのような世の中になってほしいし、それなら毎年フォーネスビジュアスを受けたいです!

江川さん

1年に1回受けていただくのももちろんいいのですが、例えば生活習慣が定着している、またはコンシェルジュと話をして「健康状態がすごく良い」となった場合には、2、3年に1回受けていただくくらいの頻度でも十分ですよ。

地主さん

生活習慣がよくなれば、毎年受ける必要はないんですね。

未来が予測できれば、今から変えられることも多々あると分かった。フォーネスビジュアスは、未来を変える手助けをしてくれる。

私はこれまで、たとえ健康診断でC判定が出てもあまり何もしてこなかったし、そもそも何をするべきなのかちゃんと把握していなかった。フォーネスビジュアスは、受けるだけで予測結果が分かり、改善のための無理のないアドバイスもくれる。これまで検査の結果が悪くてもなんとなく放置していた私だけど、体のためにアクションしやすくなりそうだ。マジで受けようと思った。

地主さん
自分の明るい未来が見えた!

「フォーネスビジュアス」についてもっと詳しく

購入前のお問い合わせ・ご注文

取材・構成:地主恵亮
インタビューパート撮影:関口佳代
レポート写真提供:フォーネスライフ株式会社
イラスト:ちょっ子
編集:はてな編集部

  • 本検査は、健康保険の対象ではありません。医療機関の自由診療として実施されます
  • 本検査は、特定の年齢層の方のデータを対象として行われた分析結果に基づき判定します
  • 医師の判断によることなく、本検査の結果を、疾病の判断・治療・予防等に用いることはできません
  • 本検査は、その結果の正確性や、他の検査方法と同等の結果の提供を保証するものではありません
  • 将来の疾病予測に関する検査結果は、生涯にわたってのリスクを予測するものではありません
  • コンシェルジュによる健康相談およびアプリは、フォーネスライフからご利用者に直接ご提供するサービスです。これらは、ご利用者の生活習慣の改善、健康意識の向上をご支援するものであり、検査結果の改善や、疾病の診断、治療、予防等を目的とするものではありません

*1:参考: 国立長寿医療研究センターによる研究結果

*2:参考:熊本県荒尾市民を対象にフォーネスビジュアス検査後の生活習慣改善プログラムの提供開始: プレスリリース | NECソリューションイノベータ

*3:例:Tiia Ngandu,et al. :Lancet, 385:2255-2263(2015)/Gill Livingston,et al.:Lancet, 396:413-446(2020)/小原知之:精神経誌,115(1):90-97(2013)