病院集客がうまくいかない理由と成功するための方法

※本記事はあくまで一般的な公開情報をもとに作成しております。何か判断をされる場合は専門家の指示を仰ぐ必要性があります。

医療機関である病院やクリニックにとって、安定した集客は経営の生命線です。内科、外科、小児科など、診療科を問わず、集客は共通の課題となります。

本記事では、集客がうまくいかない主な理由を分析し、成功へ導くための具体的な方法を6つご紹介します。これらのポイントを押さえ、患者さんに選ばれる医療機関を目指しましょう。

▼この記事でわかる内容

  • 病院・クリニックが集客を始める前の注意点
  • 病院・クリニックが患者さんを集客できない理由
  • 患者さんに選ばれる病院・クリニックを運営するポイント
  • 病院・クリニックでおすすめの集客方法

病院・クリニックで患者さんを集客できない4つの理由

病院やクリニックが集客に苦戦する主な要因として、以下の4つが挙げられます。これらの課題を理解し、適切な対策を講じましょう。

▼病院・クリニックで患者さんを集客できない理由

  • 競合病院との差別化がない
  • 予約システムがアナログ
  • 口コミが少ない、評価が悪い
  • そもそも認知度が低い

競合病院との差別化がない

多くの病院がひしめく地域で、患者さんに選ばれるためには、競合との明確な「違い」が必要です。「他の病院ではなく、ここに通院する理由」を提供できなければ、患者さんは利便性や知名度の高い他院を選んでしまいます。

医療機関の差別化には、専門性や先進医療、患者対応の質の向上が不可欠です。

しかし、単に専門分野を列挙するだけでは不十分です。例えば、特定の疾患に特化した専門外来を開設し、その治療実績や研究成果を具体的に示すことで、患者さんからの信頼獲得に繋がります。

また、最新の医療機器を導入するだけでなく、その機器を用いた治療でどのような効果が期待できるかを詳細に説明することが重要です。

さらに、患者対応の質を高めるためには、快適な待合空間だけでなく、オンライン相談やアフターケアの充実など、患者さんのニーズに合わせたサービスを提供する必要があります。

予約システムがアナログ

電話のみの予約受付や、受付時間外に予約ができないといったシステムは、患者さんにとって大きなストレスです。特に多忙な現代人にとって、予約の利便性は病院選びの重要な基準となっています。効率的なオンライン予約システムを導入すれば、24時間365日予約受付が可能となり、患者さんの利便性が向上します。

予約システムの導入には費用がかかりますが、事務作業の削減や、ミス防止などにも役立ちます。現在は、さまざまな民間企業が簡易に導入できる予約システムなどを提供しています。

導入コストが気になる方は、IT導入補助金等で導入コストを抑えることができないか確認してみましょう。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートする制度です。導入コストが気になる方はぜひ利用を検討してみましょう。

口コミが少ない、評価が悪い

インターネットの普及により、受診前に病院の口コミや評判を確認する患者さんもいらっしゃいます。Googleマップやポータルサイト等での口コミが少なかったり、悪い評価が目立つ病院は、患者さんに敬遠されてしまいます。

厚労省が発表している2023年受療行動調査によると、医療機関にかかる際に情報を入手している人(全体の約8割)の中で、外来 ・入院ともに「家族・友人・知人の口コミ」 が最も高く、外来で 68.4%、入院で 66.7%でした。外来では「医療機関が発信するインターネットの情報」が口コミに次ぐ28.8%だったことがわかっています。

そもそも認知度が低い

医療機関の存在自体が地域の人々に知られていない場合、どれだけ優れた医療サービスを提供していても、患者さんを集めることは困難です。医療機関の認知度向上には、ターゲット層に合わせた広報活動と広告戦略が不可欠です。

例えば、地域住民の来院を促すには、リスティング広告のエリアターゲティングが有効です。特定の地域やキーワードで検索するユーザーに絞り込み、効率的に広告を配信できます。

さらに、地域との繋がりを深めるためには、イベントやセミナーの開催も有効です。健康講座や相談会などを開催することで、地域住民との信頼関係を築き、病院の認知度を高めることができます。

患者さんに選ばれる病院・クリニックになる3つのポイント

ここでは、競争が激化する医療業界で     患者さんに選ばれ続けるための、3つの重要なポイントとその具体的な改善策を解説します。

患者さんに選ばれる病院・クリニックになるポイント

  • 現状把握
  • 目的設定
  • Webサイトへのアクセス

現状把握

患者さんに選ばれる病院・クリニックを運営するためには、自院の現状を正確に把握し、改善点を明確にすることが不可欠です。患者さんへのアンケートや口コミ分析は、満足度や改善要望を把握するための重要な手段となります。

例えば、ある病院では、入院患者に対して退院時にアンケートを実施し、食事や病室の快適さ、スタッフの対応などについて詳細な意見を収集しました。その結果、食事に対する不満が多いことが判明し、メニューの見直しや提供方法の改善を行ったところ、患者満足度が大幅に向上しました。

また、競合病院の診療内容やサービス、患者層を調査し、自院の立ち位置を明確にすることも重要です。これらの現状把握を定期的に行い、改善策を打ち出しましょう。

目的設定

現状把握で明らかになった課題を基に、具体的かつ達成可能な目的を設定することが重要です。「患者満足度向上」といった曖昧な目標ではなく、数値化した目標を設定しましょう。例えば、「新規受診者数を前年比20%増」という目標を設定します。その目標を達成するために、オンライン診療の導入やSNSでの情報発信強化、スタッフの接遇研修などを行いましょう。

Webサイトへのアクセス

Webサイトは、患者さんにとって病院を知る最初の接点となります。そのため、SEO*1やコンテンツマーケティングを活用し、アクセス数を増加させることが重要です。例えば、特定の診療科目に関する専門的な情報や患者さんの疑問に答えるコンテンツを定期的に更新することで、検索エンジンの上位に表示される可能性が高まります。

実際に、ある総合病院では、Web上の認知度が低かったため、SEO対策を強化しました。その結果、問い合わせ件数が大きく増加し、地域での認知度が飛躍的に向上した例があります。このように、Webサイトを集客の強力なツールとして活用することが、選ばれる病院へのステップとなるのです。

病院・クリニックでおすすめの8つの集客方法

ここでは、数ある集客方法の中でも、特に病院・クリニックにおすすめの8つの方法を、メリットと成功事例を交えて具体的に解説します。

▼病院・クリニックでおすすめの集客方法

  • Googleビジネスプロフィールへの登録
  • SEO対策の実施
  • SNSの活用
  • リスティング広告の運用
  • ポータルサイトへの登録
  • チラシ・ポスティングの実施
  • フリーペーパー・新聞への広告出稿
  • 看板・ポスター施策の実施

Googleビジネスプロフィールへの登録

Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップ上に無料で情報を掲載できる、非常に効果的な集客ツールです。最新情報や休診日、診療時間、写真などを掲載することで、ユーザーに正確な情報を伝え、信頼感を与えることができます。

例えば、院内の様子やスタッフ紹介の写真を充実させ、詳細な診療時間や診察情報を記載しましょう。特に、「地域名 + 診療科」で検索するユーザーに対して有効であり、設定も簡単なため、真っ先に取り組むべき施策と言えます。なお、正確な情報を保つためにも、定期的に更新することが大切です。

SEO対策の実施

SEO対策を実施することで、病院のウェブサイトを検索エンジンの上位に表示させ、オンラインからの集客増加を期待できます。具体的には、地域名と診療科目を組み合わせたキーワードをページタイトルや見出しに含めることが有効です。

例えば、以下のような成果が期待できます。

  • ウェブサイトへの訪問者数増加
  • 問い合わせ数の増加
  • 病院ブランド認知度の向上

SNSの活用

SNSは、患者さんとのコミュニケーションツールとして有効です。診療情報の発信だけでなく、院内の雰囲気やスタッフの人柄を伝えることで、親近感を持ってもらうことができます。

SNSを活用し、複数フォロワーを獲得・投稿をシェアしてもらう仕掛けをつくることで、さらなる拡散も期待できます。最近では、世代問わずSNSを利用する層が増えており、親しみやすい投稿を心がければ、多くの人に興味を持ってもらいやすくなるでしょう。

リスティング広告の運用

リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページに広告を表示し、特定のキーワードで検索したユーザーに直接アプローチできる手法です。例えば、「[地域名] 皮膚科」や「[地域名] 歯医者」など、地域名と診療科目を組み合わせた広告を出稿することで、ターゲット層に的確に情報を届けることができます。

リスティング広告を活用することで、以下のような効果が期待できます。

  • ターゲットを絞った集客
  • 即効性のある集客
  • 費用対効果の可視化
  • ウェブサイトへの誘導

ポータルサイトへの登録

医療機関専門のポータルサイトは、多くの患者さんが病院探しに利用する情報源です。

全国の医療機関の情報を検索できる大手ポータルサイトに登録することで、自院の情報を多くの患者さんに届けることができます。特に、口コミ評価の高い病院は、患者さんからの信頼を得やすく、集客効果が高まります。

チラシ・ポスティングの実施

チラシやポスティングは、地域住民に直接情報を届ける効果的な集客手法です。ターゲット層に合わせたデザインや内容を工夫し、配布エリアを適切に選定することで、集客効果を高められます。

チラシやポスティングを活用することで、以下のような効果が期待できます。

  • 地域住民への直接的なアプローチ
  • ターゲット層に合わせた情報提供
  • イベントやキャンペーンの告知

フリーペーパー・新聞への広告出稿

フリーペーパーや新聞広告は、特定の地域に住む幅広い年齢層へアプローチできる集客方法です地域情報に特化したフリーペーパーや、地域版のある新聞に広告を掲載することで、認知度向上と集客数増加が期待できます。

特に、地域イベントや健康診断キャンペーンなどの告知に効果的です。

看板、ポスター施策の実施

看板やポスターは駅前や幹線道路沿いなど、人通りの多い場所に設置することで、潜在     患者さんへの効果的なアプローチが可能です。また、院内に疾患啓発ポスターを掲示することで、既存患者への情報提供と、潜在的なニーズの掘り起こしにもつながります。

看板やポスターを制作する際は、遠くからでも視認しやすいように、目立つ色の組み合わせやフォントを使いましょう。例えば、背景を明るい黄色やオレンジにし、文字を濃い青や黒にするなど、コントラストの強い配色を選びます。これにより、遠くからでも文字がはっきりと認識できます。

その他、写真を活用したりする工夫を取り入れましょう。店舗看板やポスターが得意なデザイン会社などに依頼することも手です。

病院・クリニックが集客を始める前の3つの注意点

病院やクリニックが集客を始める前に、確認すべき重要なポイントは3つあります。一つでも問題があると、集客活動に取り組んでも思うような成果が挙げられません。まずは、以下3つのポイントをチェックしましょう。

▼病院・クリニックで集客する前の注意点

  • 医療広告ガイドラインに抵触していないか
  • 窓口対応や看護師の連携に問題はないか
  • 施設の設備に問題はないか

医療広告ガイドラインに抵触していないか

医療広告を行う際には、厚生労働省が定める「医療広告ガイドライン*2」を遵守することが不可欠です。具体的には、虚偽や誇大な表現、他院との比較優良広告、患者さんの体験談の掲載などが禁止されています。

実際には行っていない治療法を広告したり、過度に効果を強調したりといった表現は虚偽広告とみなされ、罰則の対象となります。過去には、クリニックが治療効果を誇張した広告を掲載し、行政指導を受けた事例*3があります。このような事態を避けるためにも、広告内容を専門家とともに精査し、ガイドラインに沿った情報発信を心掛けることが重要です。

窓口の受付対応や、看護師の連携に問題はないか

患者さんと最初の接点である受付や看護師の対応は、病院の印象を大きく左右します。特に、Googleの評価や口コミは、新規患者の来院を大きく左右します。

不適切な対応やスタッフ間の連携不足は、患者さんの不満や信頼低下を招き、悪い評価や口コミに繋がります。その結果、新規患者が来院を避け、集客に悪影響を及ぼします。

患者さんからのフィードバックを定期的に収集し、対応の質を評価・改善することが効果的です。また、スタッフ間の連携強化のために、定期的なミーティングや情報共有の仕組みを構築することも有効です。

施設の設備に問題はないか

医療施設においては、清潔で快適な環境の提供が重要です。病院の設備や内装の老朽化、清潔感の欠如した状態を放置していると、患者さんの安心感や信頼を損ないかねません。

医療機器への投資だけでなく、待合室の椅子を快適なものにする、トイレを清潔に保つ、案内表示を分かりやすくするなど、患者さんが快適に過ごせる環境を整えることは、口コミやリピーター増加などにつながるのです。定期的な設備点検や環境整備を行い、常に最適な医療環境を提供し、患者さんから選ばれる病院づくりをしましょう。

まとめ:患者さんに選ばれる病院・クリニックになろう

本記事では、競合との差別化やオンライン予約システムの導入、口コミ対策、認知度向上など、患者さんに選ばれるための重要ポイントと、GoogleビジネスプロフィールやSEO対策、SNS活用など具体的な集客方法を解説しました。

まずは、現状把握と目的設定を行い、自院に合った集客方法を選択し、実行・検証・改善を繰り返しましょう。

これらの継続的な取り組みが、患者満足度向上と安定した集客へとつながり、地域に愛される病院・クリニックへと成長させるでしょう。成果が出るまでには時間がかかることもありますが、本記事を参考に実行してみてください。

継続的な集客には、患者さんの細かなニーズに応えることが重要と言えるでしょう。例えば、かかりつけ病院としての信頼に応える、健診・診療のワンストップサービス提供などが考えられます。

健診においては、従来の健診結果だけでは将来の健康リスクを十分に把握できない場合があります。健康リスクの提示方法として、近年ではAIを活用する事例も見られます。

NEC 健診結果予測シミュレーションは、健診データから数年後の健康状態や生活習慣病の発症リスクを予測し、一人ひとりに最適な生活習慣改善策を提案します。

受診者へのメリット

  • 将来の健康リスクを具体的に把握し、健康意識を高める
  • 個別化された生活習慣改善アドバイスを受け、主体的な健康管理をサポート

健診センターへのメリット

  • 競合他社との差別化による集客力向上
  • 受診者の満足度向上、リピーター獲得
  • 最新技術を活用した先進的な健診センターというブランディング

上記のようなメリットがあるので、ぜひ導入を検討してみてください。

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*1:

SEO対策とは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、Googleなどの検索エンジンでWebサイトやWebページが上位表示されるように最適化する取り組みのことです。

*2:「医療法における病院等の広告規制について」厚生労働省

*3:「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」厚生労働省