技術の実績と開発

SomaScan®を用いた多くの研究

フォーネスビジュアスは、多くの分野の研究で活用実績のあるSomaScan®という技術を採用し、疾病リスクを判定しています。

SomaScan®を用いた研究は200報以上報告されており、心血管疾患、糖尿病等の生活習慣病の他、認知症、悪性新生物など様々な疾患領域での研究に使用され、薬剤応答試験、介入評価、術後評価などに活用されています。

出典: Makio Furuichi, Iwao Waga, Yoshiya Oda. Large-scale Disease Proteomics by Aptamer Technology. Proteome Letters 2020;5:55-63(Fig. 5を一部改変)

graph Affinity Proteomics 211 cases

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疾病リスクを予測するモデルの開発

認知症や脳卒中など特定の疾患発生の要因を明らかにすることを目的に集められた集団をコホートといいます。疾病リスクを予測するモデルの開発はそれに適したコホートを用いて行われます。コホートを用いた研究は、研究者によるバイアスがかかりにくいとされ、疾患発生の要因を解明することに適した手法の一つです。これまで「喫煙」と「がん」の関係や「コレステロール」と「心筋梗塞」の関係などがコホート研究により明らかにされてきました。

フォーネスビジュアス検査のモデルも、世界中の数千人規模のコホートから集められた血液をSomaScan ®を用いて測定し、疾患に関する臨床情報と関連付けられたのち、機械学習を駆使して開発されました。モデルの開発においては、日本人の集団も含む複数のコホートで検証しています。また、新たなコホートの追加に伴い、改良も常に行っています。

(例)心筋梗塞・脳卒中の場合

『9つのタンパク質の組み合わせにより、従来よりも高い精度で心血管疾患の再発を予測できるモデルを開発』症状が安定している冠状動脈心疾患患者の約2,000人を11年間に渡って追跡調査し、各患者の血液中に含まれる1,130種類のタンパク質を測定しました。そこから得られた280万以上の膨大なデータを活用して、心筋梗塞、脳卒中、心不全等の深刻な心血管疾患の再発に関係する200種類のタンパク質を特定し、なかでも精度と感度の適した9つのタンパク質を組み合わせた再発予測モデルを開発・評価しました。この予測モデルを同様の疾患をもつ患者に適用したところ、従来のモデル(Framingham予測モデル)よりも高い精度で、一部の患者に高い再発リスクがあることが確認され、「どの患者を集中的に治療する必要があるか」を見極めるツールになる可能性が示唆されました。

出典: Ganz P, et al. Development and validation of a protein-based risk score for cardiovascular outcomes among patients with stable coronary heart disease. The Journal of the American Medical Association (JAMA). 2016;315:2532-2541.

graph diseasemodel Development

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※ フォーネスビジュアス検査の項目の一つである「4年以内の心筋梗塞・脳卒中発症リスク【タイプII】」を開発する際の再発者のみを対象としたプロトタイプモデルです。現在ご提供中の「4年以内の心筋梗塞・脳卒中発症リスク【タイプII】」は、コホートのデータを追加することで新たなモデルを開発し提供しています。